四王寺跡(読み)しおうじあと

日本歴史地名大系 「四王寺跡」の解説

四王寺跡
しおうじあと

[現在地名]倉吉市大谷

大谷おおたに集落の北側に迫る標高一七一・六メートルの四王寺山頂北寄りにある平安時代の寺院跡。現在山頂に堂が残るが、これまでに数度の火災を受けており、当時の位置・規模などは不明。四王寺山は土地の人からは「シホーツァン」とよばれる。

貞観九年(八六七)新羅に対する海岸防備対策として伯耆など五ヵ国に朝廷から八幅対の四天王像各一組が下された。各国とも地勢が高く賊境を俯瞰できるような高所を選んで堂宇を建てて像を祀り、国分寺その他から練行精進の僧四口を選び、最勝王経四天王護国品により昼は経巻を転じ夜は神呪を誦ずること、春秋二回は別に各七日の修法を行うことが国司に下知された(「三代実録」同年五月二六日条)


四王寺跡
しわじあと

[現在地名]松江市山代町 師王寺

茶臼ちやうす山の南麓、山代やましろ町東の集落中の標高二〇―二三メートルばかりの丘陵に位置する奈良時代から平安時代の寺院跡。南には低丘陵が広がり、南東方向には意宇平野が開けて見晴らしがいい。山代郷南新造やましろごうみなみしんぞう院跡の名称で県指定史跡。昭和五九年(一九八四)・同六二年・平成五年(一九九三)に県教育委員会が発掘調査を実施しており、松江市教育委員会も住宅建設に伴って調査を行っている。調査の結果、瓦溜り・溝・柱穴跡などが検出され、東西二三メートル・南北一六メートルの方形で周囲に三段以上の石積みをした基壇も認められた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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