四重極(読み)シジュウキョク(英語表記)quadrupole

デジタル大辞泉 「四重極」の意味・読み・例文・類語

しじゅう‐きょく〔シヂユウ‐〕【四重極】

向きが反対双極子がわずかな距離を隔てて対になったもの。電気双極子の対は電気四極子磁気双極子の対は磁気四極子とよぶ。また、質量分布が四重極であり、かつ回転振動などの時間変化を伴う場合、重力波が放出される。四極子

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改訂新版 世界大百科事典 「四重極」の意味・わかりやすい解説

四重極 (しじゅうきょく)
quadrupole

四極子ともいう。大きさが等しく向きが反対の二つの双極子がごく接近して存在する場合をいう。二つの同じ電気双極子を下左のように逆向きにして重ね,一方を平行移動により少しずらすと,次のような電荷分布ができる。

これを電気四重極と呼ぶ。四重極は,単独点電荷および双極子に次いで基本的な電荷分布である。二酸化炭素分子(O=C=O)は電気四重極の例である。ラグビーボールのような楕円体内部に電荷が一様につまっているとき,それが外部につくる電場は,1個の点電荷による電場と四重極による電場の重ね合せ(ベクトル和)の形をもつ(それに対し,球状の電荷分布が外部につくる電場は,点電荷による電場と同じである)。その意味で,楕円体状の電荷分布は点電荷と四重極の重ね合せとみなせる。以上は電場について述べたが,磁場重力場に関しても同じことばが用いられる。地球はほぼ楕円体であるから,地球が外部につくる重力場は,質点による場と四重極による場の重ね合せとして表される。
双極子
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四重極」の意味・わかりやすい解説

四重極
しじゅうきょく

四極子」のページをご覧ください。

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