国栖の奏(読み)クズノソウ

デジタル大辞泉 「国栖の奏」の意味・読み・例文・類語

くず‐の‐そう【×栖の奏】

古代宮中元旦をはじめ数々の節会せちえに、国栖1が参内し、土地御贄みにえを献じ、歌舞や笛を奏したこと。平安時代以降、国栖人くずひと参仕が絶え、雅楽寮楽人により代奏された。

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精選版 日本国語大辞典 「国栖の奏」の意味・読み・例文・類語

くず【国栖】 の 奏(そう)

  1. 宮中の元旦、白馬(あおうま)節会、踏歌の節会、新嘗会大嘗会などに、吉野の国栖の住民たちが参上してみつぎ物を献じ、歌舞や笛を奏したこと。平安以降、国栖からの参上が絶えたため、朝廷の楽人がこれを行なった。《 季語新年
    1. [初出の実例]「召仰之後、国栖奏甚懈怠」(出典:小右記‐寛弘二年(1005)正月一日)

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世界大百科事典(旧版)内の国栖の奏の言及

【国栖】より

…その後国栖は栗・年魚(あゆ)などの産物を御贄(みにえ)に貢進し風俗歌を奉仕したようで,《延喜式》では宮廷の諸節会や大嘗祭において吉野国栖が御贄を献じ歌笛を奏することが例とされている。これを〈国栖の奏〉というが,平安後期以降しだいに廃絶していった。現在では吉野町大字南国栖の浄見原神社で毎年旧正月に国栖奏を奉納する。…

【豊明節会】より

…豊明は宴会の意で豊明節会とは大嘗祭新嘗祭(にいなめさい)ののちに行われる饗宴をいう。天皇が豊楽院,または紫宸殿に出席して行われる新穀供御の神事。大嘗祭,新嘗祭はともに原則として11月の下の卯の日に行われるが,大嘗祭では次の辰の日を悠紀(ゆき)の節会,巳の日を主基(すき)の節会とし,3日目の午の日が豊明節会となる。新嘗祭では辰の日に行われ,辰の日の節会として知られた。当日は天皇出席ののち,天皇に新穀の御膳を供進。…

※「国栖の奏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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