朝廷で行われる節日・公事(くじ)の日の宴会。〈令〉の規定によれば,元日,7日,16日,3月3日,5月5日,7月7日,11月大嘗の日を節日とする。節日の集会の意味であるが,奈良時代以後,それぞれ元日節会,白馬節会(あおうまのせちえ),踏歌の節会(とうかのせちえ),曲水の宴,端午節会(端午),相撲節会(すまいのせちえ),新嘗会(豊明節会(とよのあかりのせちえ))として天皇が群臣に饌(の膳)を賜る宴をいうようになった。節会は豊楽院,紫宸殿,武徳殿などで行われた。元日,7日,新嘗会などを中儀,踏歌,端午,重陽(9月9日)などを小儀とすることが《延喜式》にみえる。平安時代には元日,白馬,踏歌,端午,豊明が五節会として重んじられたが,このほかにも節会の種類も増加し,さらに臨時の立后,任大臣節会などもあった。中・小儀の別も《公事根源》《江次第抄》などでは,《延喜式》とは異なっている。
→宴会
執筆者:山中 裕
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節の日および規定の公事(くじ)がある日、朝廷で行われた宴会のこと。『令義解(りょうのぎげ)』雑令に「正月一日、七日、一六日、三月三日、五月五日、七月七日、一一月大嘗(だいじょう)日を皆節日と為(なす)」とあり、これらを節の日と定めている。この日天皇が出御し、饗宴(きょうえん)がある。「元日(朝賀、元日節会)、即位の儀を大儀とし、元日宴会、七日、新嘗会(にいなめのえ)を中儀とし、踏歌節会(とうかのせちえ)、九月九日(重陽節会(ちょうようのせちえ))などを小儀とする」と『延喜式(えんぎしき)』にあって、大儀に参会する群臣は礼服を着るべき規定も書かれている。江戸幕府の定めた五節供(ごせっく)は、人日(じんじつ)(正月7日)、上巳(じょうし)(3月3日)、端午(たんご)(5月5日)、七夕(たなばた)(7月7日)、重陽(9月9日)の5日であり、これは古代・中世の節会と、民間の風習を取り入れてつくられたものであろう。民間では3月3日、5月5日、8月1日を三節供とする例もあり、のちに多くの節会の日が生まれてくる。元来、節会の供物(くもつ)が節供であるが、節日そのものを節供ともいう。
[山中 裕]
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宮廷で節日などに天皇のもとに群臣を集めて行われた公式の行事。宴が設けられることが多い。令制では雑令に正月1日・7日・16日,3月3日,5月5日,7月7日,11月新嘗祭(にいなめさい)が節日として規定され,それぞれに特有の儀礼がもよおされ,歌舞が奏され,群臣に宴や禄を賜った。行事のなかには中国から輸入したもの,日本の民間で行われていた行事を宮廷でとりいれたもの,その両者が折衷されたものなどがあった。こうした節会において,その場を天皇と群臣が共有し,宴や禄などの給付が行われたことは,支配層としての一体性を維持・強化することに寄与した。
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… 朝廷が主催する宴会の第1のものは,1年の季節の移りにしたがった,いわば年中行事としての宴会である。もと農耕儀礼を基礎として生まれたものであろうが,日本ではこれに隋・唐の律令法の継受にともなう中国的な要素が加味され,節日(せちにち)の宴,すなわち節会(せちえ)として法制化された。正月1日の元日(がんにち)節会,同7日の白馬(あおうま)節会,同16日の踏歌(とうか)節会,3月3日の曲水宴(きよくすいのえん),5月5日の端午節会,7月7日の相撲節会,そして11月の中の卯の日に行われる新嘗祭ののちの豊明(とよのあかり)節会がこれである。…
…したがって祝祭日は,その日に記念される人物,歴史的事件などの特定の内容だけでは理解しきれない面をもっている。【山本 泰男】
[日本]
日本では古く《延喜式》に節会(せちえ)の制が規定され,なかでも元旦,白馬(あおうま),踏歌(とうか),端午(たんご),豊明(とよのあかり)の五節会が重く扱われた。武家時代には,人日(じんじつ),上巳(じようし),端午,七夕(たなばた),重陽(ちようよう)の五節句(節供)が重んじられたが,明治になって政府がまず天長節(孝明天皇誕生日。…
※「節会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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