国際デーテル(読み)こくさいでーてる(その他表記)International Datel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際デーテル」の意味・わかりやすい解説

国際デーテル
こくさいでーてる
International Datel

デーテルはData Telex Serviceの略称で、高速の国際テレックスサービスシステムのこと。外国の相手先との間で磁気テープの内容などのデータ伝送ができるとともに、ファクシミリや写真の送受も可能である。操作が簡単なうえ回線使用料も安いので、かなりの通信量はあるが国際専用回線を利用するまでには至らない場合、またテレックスのように任意の相手と通信したいという場合に便利であった。データ通信への橋渡し役として1971年(昭和46)から開始された。日本ではKDD(現KDDI)が87年まで取り扱っていた。取扱地域はほぼ全世界で、海事衛星を利用して船舶との通信も可能であった。国際電話を利用してファクシミリやデータの伝送も行えるようになったので、国際デーテルの需要はそうした他の通信手段に移行した。

[福田啓民・徳味昭二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際デーテル」の意味・わかりやすい解説

国際デーテル
こくさいデーテル
international datel

「デーテル」は data telecommunicationの略。データ伝送を目的とした国際テレックス網。欧米の各電信会社が各国内に建設したネットの加入者間で国際通信を行うもの。日本では,1971年からアメリカITTおよび RCAの国際デーテル加入網との間で,国際デーテル業務を開始した。テープ送受機を設備した加入者は,外国の任意の加入者を呼出して1秒間に 120字の速度でデータを送受信できる。しかし最近は FAX (→ファクシミリ ) ,電子メールに変りつつある。

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