日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際学力調査」の意味・わかりやすい解説
国際学力調査
こくさいがくりょくちょうさ
オランダのアムステルダムに本部事務局を置く国際教育到達度評価学会The International Association for the Evaluation of Educational Achievement(略称IEA)が中心となって行っている一連の国際的かつ科学的な学力調査。当初は、ドイツにあるユネスコ教育研究所の国際協同研究プロジェクトとして、1964年に第1回数学教育調査が実施されたが、その後IEAが成立し、その事業として行われることとなった。参加国は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イスラエル、タイなど20~40か国。これまで実施された学力調査は、数学、読解力、文学、公民、外国語としての英語・フランス語、理科などとなっている。日本は国立教育研究所(現国立教育政策研究所)が中心となって、1964年(昭和39)の第1回数学教育調査以来、「国際数学・理科教育調査」に継続的に参加している。国際学力調査のねらいは、学力の国際コンクールにあるのではなく、学力や教育到達度を規定する諸要因の解明にある。そのため、各教科のテストに加えて、学校調査、教師質問紙調査、生徒質問紙調査等も同時に実施されている。数学と理科の調査については、IEA国内委員会および国立教育研究所広報誌で報告がなされている。
[二宮 皓]