国際対がん連合(読み)コクサイタイガンレンゴウ(その他表記)Union for International Cancer Control

デジタル大辞泉 「国際対がん連合」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐たいがんれんごう〔‐タイガンレンガフ〕【国際対がん連合/国際対×癌連合】

がん研究診断・治療・予防に関する知識向上を目的として設立された民間組織。1993年結成。本部ジュネーブ。105か国から医療教育・研究機関やNPOなど335組織が参加。癌の予防・患者支援など対癌運動を推進する。UICC(〈ラテン〉Unio Internationalis Contra Cancrum)。
[補説]英語名は、International Union Against Cancer

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際対がん連合」の意味・わかりやすい解説

国際対がん連合
こくさいたいがんれんごう
Union for International Cancer Control

1933年に設立された、世界最大規模の民間の対がん組織連合。世界171か国から1100以上の団体が参加しており(2019年7月時点)、本部はスイスのジュネーブにある。略称はUICC。

 がんの制圧を中心課題として活動しており、世界保健機関(WHO)の政策を支持し、その実現に民間の立場から協力する立場をとっている。活動の基本は、世界中の対がん勢力を結集した政策提言とキャンペーンである。2年ごとに開催される世界がん会議と世界がんリーダーサミット、および毎年2月4日の世界対がんデーが重要な行事となる。

 2006年の世界がん会議では、WHO、世界各国の政府関係者や対がん運動のリーダーが集うなか、「世界対がん宣言」が採択された。これは世界の国々が努力すべき方向を示すもので、2013年には「生涯をカバーする有効ながん制御システムを確立する」など9項目に整理され、2025年までに達成することを目標としている。

 緊急性のある活動テーマとして、WHOタバコ規制枠組条約の履行や非感染性疾患に関する国連サミット宣言の実行を政府機関に求めること、小児がん問題への取り組み、がん疼痛(とうつう)救済イニシアチブなどをあげている。

 UICC日本委員会は、UICCの支援・連携にあたるため、日本の加盟組織が集結したもので、事務局を公益財団法人がん研究会に置いている。主要ながん専門学会、がんセンター、研究所、研究基金、病院、対がん協会など31団体が参加している(2016年3月時点)。

[渡邊清高 2019年11月20日]

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世界大百科事典(旧版)内の国際対がん連合の言及

【癌】より

… 臨床癌はふつう四つの病期に分ける。国際対ガン連合が中心になって定めたTNM分類がよく用いられる。T(tumor)は原発部位の腫瘍の大きさや周辺組織への浸潤状態,N(node)はリンパ節への転移状況,M(metastasis)は遠隔ないし他臓器への転移を表す。…

※「国際対がん連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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