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国際関係論 こくさいかんけいろんInternational Relations

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際関係論
こくさいかんけいろん
International Relations

国際社会のなかで行為主体 (アクター) の間に展開される相互作用 (国際関係) と,そこに提起される諸問題に対する総合的,学際的な理解を試みる学問分野。第1次世界大戦後イギリスやアメリカで平和樹立を目的として成立した。特に第2次世界大戦以降は,ますます複雑・多様化あるいは重層化する国際関係現象を総合的かつ学際的に理解する必要性が高まっている。しかし,国際関係論を国際政治学 International Politicsと比較するときには,両者の関係はやや混乱している。両者を同一視する説,国際政治学を国際関係論の中心ではあってもその一部とみなす説などがあり,明確な合意は成立していない。このことは,国際関係のなかの何をもって国際政治とみるかという根本的な問題にかかわることであり,しかも最近では,現実の国際関係の展開に応じて国際政治経済学あるいは国際社会学などの学問分野を確立する必要性が急速に認識されるようになっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいかんけいろん【国際関係論 international relations】

国際社会を構成しているあらゆる要因の相互作用を研究対象とする学問。国際社会を立体的に認識すべく諸科学の総合研究を意図して,第1次大戦以降,アングロ・サクソン系国家を中心に発展した。伝統的社会諸科学はいくつかのヘゲモニー国家で生まれた学問を普遍化して発達してきたため,国家拘束性が強く,学問領域としての国際関係の部分は全体として研究が進んでいなかった。そのため諸科学を横断的に関連させ,実証的・包括的研究対象としてしめくくる努力が国際関係論のひとつの出発点となった。

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大辞林 第三版の解説

こくさいかんけいろん【国際関係論】

国際間の政治・法律・経済関係などを対象とする学問。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際関係論
こくさいかんけいろん

日本の大学において国際関係論という名の学科が初めて設けられたのは、1951年(昭和26)東京大学においてである。続いて他の諸大学でも国際関係論という名の講座・学科目を設置するところが多くなった。この名称はイギリスやアメリカで第一次世界大戦後設置されたinternational relationsの翻訳で、内容のうえでも欧米とくにアメリカの影響を強く受けている。
 国際関係論は国際政治学international politicsとほぼ似た内容をもつが、しかしその扱うべき範囲について広狭の差が生じている。すなわち、国際関係論を国際政治学(国際政治史を含む)と同一の内容をもつものと理解する立場と、より広く国際政治学とともに国際経済学、国際法学、地域研究など、いわば国際と名のつく学問を総合的にとらえようとする立場とである。
 しかし、国際関係ということば自体は同義語の反復である。日本語の国際ということばにすでに諸国間の関係という意味がある。さらに国際関係学ではなく国際関係論という名が用いられたことも、この学問の未熟さを物語っている。日本の大学では19世紀のドイツ風の学問分類によって対象と方法の明確な学問を「学」とよぶことから、第二次大戦後の新制度において出発した新学科を、その未熟さを自覚して「論」と称したのであろう。しかし一面では、「論」とは、たとえば政治学における「国家論」や歴史学における「封建社会論」のように、ある学問分野においてより細かい研究テーマをさすこともある。したがって国際関係論という名称は不適切であることが反省され、最近では国際学などという語も用いられている。
 国際関係論とは、こうして学問的に未確立であり、多くの問題を残している。その名称はともかく、実際には国際問題を共同研究する学問的組織あるいは教育組織として機能している、いわゆる学際的分野である。したがって、国際関係に独特の学問的方法はないともいえよう。それは、農学とか薬学などといった分野と同じく応用的な分野である。農学や薬学に従事する者は、その対象は農作物であれ、新薬であれ、その方法についてみれば、生物学なり、化学なりといった方法、あるいは生化学といった組合せによる方法である。国際関係論は、対象が複雑多様な国際問題であり、現在進行中の事象であるので、自らこの方法の組合せ、あるいは新たな方法の開拓といった点に重きを置かざるをえない。
 現在、国際関係論の方法的研究に意欲的なのはアメリカの学界であり、実証的研究と並んで理論的研究も盛んに行われている。しかし、そこに提唱される理論の多くは、国際関係のなかのきわめて限られたテーマに関する部分理論であり、巨大な国際関係の現実を総括しうる全体理論ではない。ヘーゲルやマルクス、あるいはマックス・ウェーバーといった古典的な全体理論は、そのままでは今日の現実に対応できないが、しかし、彼らのもっていた、できる限りの事象を説明し尽くそうという情熱は、現在の国際関係論に欠けるところである。それは単に国際関係論に限らず、現在の社会科学に共通するところである。しかし、国際関係の現実は、いよいよ諸学の総合による解明を必要としている。国際関係論は、日本にあっては輸入学問という色彩が濃い。また、国際関係を研究する者のなかには、微細な専門研究に没頭するのあまり、その研究の意義について無反省な傾向がなしとしない。このような反省にたって、平和に貢献するという目的意識の明確な平和研究の方向に、研究の前途をみいだす立場が有力となりつつある。[斉藤 孝]
『日本国際政治学会編『戦後日本の国際政治学』(1979・有斐閣) ▽J・フランケル著、田中治男訳『国際関係論』(1972・東京大学出版会)』

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