土建国家(読み)ドケンコッカ

デジタル大辞泉 「土建国家」の意味・読み・例文・類語

どけん‐こっか〔‐コクカ〕【土建国家】

公共事業の名の下に、膨大な公費電源開発河川工事高速道路高速鉄道競技場、県民ホールなどの土木建設工事に投入する国。
[補説]高度成長期の日本揶揄やゆして、または自嘲していうことが多い。その弊害は政・官・財の癒着に現れる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土建国家」の意味・わかりやすい解説

土建国家
どけんこっか

国会議員が,出身選挙区に国の土木・建設事業予算を配分する「恩恵」を施す風土で,その見返りに自分の選挙が有利になる仕組みに着目した言葉。日本は先進国の中でも国の予算の中で公共事業関連予算が占める比率が高い。 10兆円にも上る国の公共事業予算は,道路や港湾,橋や鉄道などの建設など国会議員の地元の発展に役立つことはもちろんであるが,そのほかに,それを請け負う地元の土木・建設業者や,雇用される兼業農家に大きな収益をもたらしている。土建国家という言葉は,国家予算において準公共財供給比重を高める中で従来とは異なる形をとった票を金で買う仕組みが生まれていることを示している。

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