圧し面(読み)べしみ

精選版 日本国語大辞典 「圧し面」の意味・読み・例文・類語

べし‐み【癋見・圧面】

  1. 〘 名詞 〙 圧口(へしぐち)をした面。能面の一つ。下あごに力を入れ、くちびるを強く結び、まゆをしかめた表情のもの。鬼神を表わす異形の面。大べしみ(天狗)と小べしみ(地獄の鬼)の区別があり、前者は「鞍馬天狗」「善界(ぜがい)」、後者は「鵜飼」「野守」などの後ジテに用いる。癋面(べしめん)
    1. 癋見
      癋見
    2. [初出の実例]「大へしみをば、他国よりはやまとへしみと云」(出典:申楽談儀(1430)面の事)

べし‐めん【癋面・圧面】

  1. 〘 名詞 〙べしみ(癋見)
    1. [初出の実例]「人の用ひぬことを息筋張てわなるは暗(やみ)の夜の鬼面(ベシメン)」(出典談義本・医者談義(1759)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android