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野守 ノモリ

デジタル大辞泉の解説

の‐もり【野守】

野の番人。特に、立ち入りを禁じられている野の見張り人。
「あかねさす紫野行き標野(しめの)行き―は見ずや君が袖振る」〈・二〇〉

のもり【野守】[謡曲]

謡曲。五番目物世阿弥作。春日野を行く旅僧が、老人から野守の鏡故事を聞き、鬼神奇瑞(きずい)を見る。

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世界大百科事典 第2版の解説

のもり【野守】

能の曲名。五番目物。鬼物。世阿弥作か。シテは鬼神。旅の山伏(ワキ)が大和の春日野に着くと,由(よし)ありげな池がある。来かかった野守の老人(前ジテ)に尋ねると,野守のという名だと教える。それは,自分たちのような野守が鏡の代りにするからそう呼ばれるのだが,本当の野守の鏡は,昔,鬼が持っていた鏡で,その鬼は,昼は野守の姿となり,夜は鬼の姿となってここの塚に住んでいたのだという。山伏は,〈はし鷹の野守の鏡得てしがな……〉という古歌を思い出して質問する。

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大辞林 第三版の解説

のもり【野守】

立ち入り禁止の猟地や禁猟の野の見張り人。野の番人。 「あかねさす紫野行き標野しめの行き-は見ずや君が袖振る/万葉集 20

のもり【野守】

能の一。五番目物。世阿弥作。羽黒山伏が、野守の鏡は水鏡ではなく、天地の真相を映す鬼神の宝物であることを鬼神に教えられ、その鏡を見る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

野守
のもり

能の曲目。五番目物・切能。五流現行曲。世阿弥(ぜあみ)作。出典は『奥義抄(おうぎしょう)』『袖中抄(しゅうちゅうしょう)』などの歌学書。羽黒山の山伏(ワキ)が大和(やまと)国春日野(かすがの)を訪れる。野の番人である野守の翁(おきな)(前シテ)は山伏の質問に応じ、野守の鏡の故事を物語る。鬼神の持つ鏡とも、天子の狩りのとき梢(こずえ)に逃げた鷹(たか)を映した泉を野守の鏡ともいう二説である。昔をしのび涙する翁は、やがて野の塚に消え、まことの鏡を見たいと祈る山伏の前に、鬼神(後(のち)シテ)が鏡を持って現れる。宇宙のすべて、天上から地獄のありさまのことごとくを映し出す大きな鏡の奇跡を見せ、大地を踏み破ってふたたび地の底に帰っていく。歌物語の優雅と、鬼の豪快さを融和させ、大人の風雅をメルヘンとした、世阿弥の名作の一つ。[増田正造]

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