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地理情報システム チリジョウホウシステム

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

地理情報システム

山や川などの地形情報、道路や道路付帯物などの行政情報、ライフラインなどの施設情報を、地図上に表現して分析するコンピューターシステム。位置情報を数値やグラフではなく、視覚的に表現し、空間や時間による変化をシミュレーションするなど、高度な分析が可能になる。元々は軍事利用を目的として研究が始まったが、現在では、防災計画、都市計画、建築、企業の出店計画、カーナビゲーション・システム、交通情報サービスなど、さまざまな用途に利用されている。

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デジタル大辞泉の解説

ちりじょうほう‐システム〔チリジヤウホウ‐〕【地理情報システム】

geographic information system》⇒ジー‐アイ‐エス(GIS)

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IT用語がわかる辞典の解説

ちりじょうほうシステム【地理情報システム】

GIS

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地理情報システム
ちりじょうほうシステム
geographic information system; GIS

地球上の特定の地点や,各国の国土の位置などに関連づけられたいろいろな情報(地理情報,地理空間情報)をコンピュータで処理し活用するシステム。位置情報を基本としてコンピュータ上で地理情報を処理・表示する電子地図(デジタルマップ)と,位置情報を精密に測定・取得する衛星測位(→全地球測位システム GPS)の二つの技術が組み合わされ,1970年代から開発・実用が始まった。位置情報を鍵として,市町村,県,国,世界といった行政区画に関するデータや統計データを数値化・統合化して重ね合わせ,コンピュータ上で簡単に検索・表示できるようにしている。地形,水系,気象などの自然要素,土地利用や産業,交通,人口などの経済要素,言語,宗教,文化財といった文化要素なども地理的な枠組みに含めることができる。国土利用・整備,行政効率化,災害対策などに利用可能で,日本では 1995年の兵庫県南部地震をきっかけに行政的応用の重要性が認識され,たとえばライフラインの災害時被災状況の監視などに活用されている。2007年には地理空間情報活用推進基本法が施行された。学問的にも地理学地図学だけでなく,都市工学農業経済学,建築学,情報学などの研究に利用され,産業的には携帯電話の位置情報サービスやエリアマーケティングなどに応用されている。カー・ナビゲーション・システムも GISの一つである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地理情報システム
ちりじょうほうしすてむ
Geographic Information Systems

略称GIS。位置や空間に関する情報とそれらを収集し、保存し、加工し、検索し、分析し、そして視覚的に表示する、コンピュータ・ハードウェアとソフトウェアからなる一群のシステムである。地理情報システムでは、さまざまな空間データを層(レイヤー)に分けて管理し、これらのデータを空間的位置に基づき、基盤とする地図の上に重ねることができる。地理情報システムのもっとも重要な利点は、スケールの異なるさまざまなデータを地図の上に統合することができることである。これによって、地図上に表示された事象の空間的関係を分析・解析することができる。
 地理情報システムの発展は軍事的応用と密接にかかわってきた。地理情報システムの原型となる、コンピュータ上に対象物を表示させるシステムは1950年代にアメリカ空軍によって開発された北米防空システムであった。これは、レーダーから北アメリカ上空を飛行する物体の位置を探り出してコンピュータの地図上に表示させるものであった。91年の湾岸戦争のときには、地理情報システムとGPSを利用した巡航ミサイルが目標物をピンポイントで爆撃をしてその有効性を示した。1960年代には、カナダで当時の国土資源の地図を作成・管理するCGIS(Canada Geographic Information System)が開発された。これは、国土の土地利用をコンピュータ上の地図として管理するものであった。70年代になると、地図をコンピュータで作成し、デジタル化された地図を利用して分析を行う方法が進んだ。道路、ガス管、水道管などの施設管理、土地登記などの分野で地理情報システムが用いられるようになった。日本で最初にこのような分野で地理情報システムを導入したのは東京ガスである。東京ガスは77年から自社のサービスエリアの約3万枚に及ぶ設備図面の道路、地形、本支管にかかわるガス設備をデジタル化し、それに基づいてガス管の設備管理、維持管理を行うようになった。90年代は大型コンピュータからパソコンへとダウンサイジングが進み、GISソフトを一般ユーザーがパソコンで動かせるようになった。
 地理情報システムの特色の一つは、空間分析機能が充実していることである。GISを利用して、以下のようなことが可能となる。
(1)地図上の距離、重心座標、面積、立体の体積などの幾何学的計測が簡単に行われる。
(2)指定された範囲における分析対象の点あるいは区画の測定ができる。
(3)点、線、面などの図形から等しい距離にある領域を確定することによって、勢力圏(たとえば、スーパーマーケット・コンビニの商圏)の設定が可能になる。
(4)属性の異なる複数のレイヤーを重ねて新しい主題図を作成することもできる。
(5)最短経路の探索、連結性の測定などのネットワーク分析も地理情報システムで簡単に取り扱うことができる。
このような機能を用いることによって地理情報システムの用途は拡大している。たとえば、事故が起こったときに緊急車両を最短ルートで現場に向かわせることができるし、伝染病の広がりをモニターしてその後の対策を講じたり、顧客との関係でもっとも有利な商店の立地を決定したり、犯罪者が多い場所を特定したりすることができる。現代社会の情報化に伴って、都市計画、資源・施設などの管理、防災、エリアマーケティング、カーナビゲーションなどの分野で地理情報システムの利用が拡大しており、行政や産業の分野でも利用が急速に進んでいる。
 すでに、地理情報システムとGPSが結び付いて、携帯電話の地図上に所有者がどこにいるかの情報を表示することができるようになり、携帯電話のナビウォーク(歩行者ナビゲーションシステム)で行き先案内を受けることもできる。空間情報を地図上に二次元的に表示するだけでなく、三次元的、さらに時間的時限を加えて四次元的に表示することもできるようになった。[菅野峰明]
『村山祐司編『人文地理学1 地理情報システム』(2005・朝倉書店) ▽古田均・吉川真・田中成典・北川悦司編著『基礎からわかるGIS』(2005・森北出版) ▽高阪宏行・関根智子著『GISを利用した社会・経済の空間分析』(2005・古今書院) ▽宮澤仁編著『地域と福祉の分析法――地図・GISの応用と実例』(2005・古今書院) ▽岡部篤行・村山祐司編『GISで空間分析――ソフトウェア活用術』(2006・古今書院) ▽日本建設情報総合センター編・刊『GISデータブック 日本の地理情報システムの紹介』各年版』

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