日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
地理空間情報活用推進基本法
ちりくうかんじょうほうかつようすいしんきほんほう
「地理空間情報」とは、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報(当該情報に係る時点に関する情報を含む。以下「位置情報」という。基盤地図情報、統計情報、測量に係る画像情報等)またはその位置情報と、その情報に関連付けられた情報をいうと定義される。本法は、その活用推進がきわめて重要であると認識し、これに関する基本理念を定め、ならびに国および地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定める。2007年(平成19)5月に公布され、同年8月に施行された(平成19年法律第63号)。
基本理念では、これらの地理空間情報の電磁的方式による正確かつ適切な整備およびその提供、地理情報システム、衛星測位等の技術の利用の推進、人材の育成、国、地方公共団体等の関係機関の連携の強化等必要な体制の整備その他の施策を総合的かつ体系的に行うこと等9項目を定める。
政府は「地理空間情報活用推進基本計画」(2008年4月)において、地理空間情報の活用の推進に関する施策についての基本的な方針、地理情報システムに係る施策に関する事項、衛星測位に係る施策に関する事項、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めた。
政府の基本的施策として、調査および研究の実施、知識の普及、人材の育成、行政における地理空間情報の活用等、個人情報の保護等があげられる。
そして、地理情報システムに係る施策として、基盤地図情報の整備等、地図関連業務における基盤地図情報の相互活用、基盤地図情報等の円滑な流通等、地理情報システムに係る研究開発の推進等、衛星測位に係る施策として、衛星測位に係る連絡調整等、衛星測位に係る研究開発の推進等を行う方針が示された。
[阿部泰隆]