国土地理院(読み)コクドチリイン

デジタル大辞泉 「国土地理院」の意味・読み・例文・類語

こくどちり‐いん〔‐ヰン〕【国土地理院】

国土交通省の付属機関。日本国内の測量、基本地図の作成などを行う。明治10年(1877)内務省地理局として設立、のち陸軍参謀本部陸地測量部、第二次大戦後は地理調査所となり、昭和35年(1960)現名に改称。

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共同通信ニュース用語解説 「国土地理院」の解説

国土地理院

国土交通省の外局で、国の唯一の地図作製機関。日本の国土の位置や地形を適切に把握する目的で、正確な測量を実施する。作製した地図はホームページなどで公開。官公庁や民間企業が一般向けに提供している地図の多くは、地理院の地図に依拠している。災害関連のデータ収集任務で、地震による地盤変動の監視などに当たる。昨年10月の台風19号では、長野県の千曲川の堤防が決壊して浸水した範囲を航空写真などから分析し、公表した。

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精選版 日本国語大辞典 「国土地理院」の意味・読み・例文・類語

こくどちり‐いん‥ヰン【国土地理院】

  1. 国土の測量および基本地図の作成などを行なう国土交通省の付属機関。明治二一年(一八八八)創立の参謀本部陸地測量部が前身。昭和二〇年(一九四五)地理調査所となり、同三五年現在名に改称。

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百科事典マイペディア 「国土地理院」の意味・わかりやすい解説

国土地理院【こくどちりいん】

土地の測量,測量写真の撮影,地図の作成,測量業の登録事務などを主管する建設省(現,国土交通省)の付属機関。起源は1877年設立の内務省地理局(その業務のうち1888年―1945年の間,地図作成は参謀本部陸地測量部が行っていた)。第2次大戦後内務省地理調査所となり,1948年建設省に移管,1960年現名。1979年筑波研究学園都市へ移転。
→関連項目五万分の一地図三角点水準測量水準点測量士測量法つくば[市]筑波研究学園都市土地利用図陸地測量部

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改訂新版 世界大百科事典 「国土地理院」の意味・わかりやすい解説

国土地理院 (こくどちりいん)

国土の測量と基本図の作成を担当する建設省の付属機関。1979年東京都目黒区より茨城県筑波郡谷田部町(現,つくば市)に移転した。総務,企画,測地,測図,地理調査,地図管理,地殻調査の7部(2008年現在,地図管理,地殻調査に替わって地理空間情報,測地観測センター,地理地殻活動研究センターがあり,計8部)と,千葉県鹿野山,岩手県水沢に2測地観測所(水沢は無人化しており,組織上は1ヵ所),北海道から沖縄まで9地方測量部1支所をもつ。日本の近代測量は1869年民部省戸籍地図掛の設置以来,内務省地理局,陸軍参謀本部陸地測量部,内務省(のちに建設省)地理調査所などを経て国土地理院に引き継がれ,110年余の歴史をもつ。現在のおもな業務は,三角点,水準点などの国家基準点の測量と管理,国土基本図および地形図の作成,各種の小縮尺図およびアトラスの編集,土地利用,土地条件,沿岸海域,湖沼などの地理調査および主題図の作成などで,さらに地震予知空中写真およびリモートセンシング,国土情報システム,地図作成の自動化などの研究も行う。また測量士および士補の国家試験施行と登録,地図および空中写真の刊行,基準点など測量成果の公表,公共測量の指導,地図作成に関する国際協力事業なども行っている。2001年の省庁再編により国土交通省の附属機関となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国土地理院」の意味・わかりやすい解説

国土地理院
こくどちりいん
Geographical Survey Institute

土地の測量,地図の作成,測量法の施行に伴う測量行政に関する事務,その他これらに付帯する事業を実施している国土交通省の付属機関。基本測量,基本図作成の国家事業を行うため,1869年民部省に地籍図掛がおかれて以来,内務省地理局,工部省測量掛と拡大し,西南戦争後,陸軍に総括されて,81年陸軍の測量局から 88年陸軍省参謀本部陸地測量部が設置された。第2次世界大戦後,1945年9月内務省地理調査所として再発足。 48年7月に建設省の設置に伴ってその付属機関となり,60年7月現在名に改称。 79年3月に筑波研究学園都市に移転した。土地の測量と地図の作成に関する事業内容としては,基本測量による基準点網の整備と維持管理,地震予知の基礎となる地殻活動調査,中縮尺基本図や大縮尺国土基本図の整備と維持管理,隔測 (リモートセンシング) ,国勢地図帳の整備,沿岸海域調査,湖沼調査,土地利用調査,土地条件調査などによる地理的調査事業と各種主題図の作成,国土数値情報の整備,土地の測量と地図に関する研究の中核,などがある。国土地理院発行地図および作成地図と空中写真は日本地図センターから発売されている。基準点成果の閲覧は国土地理院で行なっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国土地理院」の意味・わかりやすい解説

国土地理院
こくどちりいん

国土交通省の特別の機関。1945年(昭和20)に陸軍参謀本部の陸地測量部が内務省に移され地理調査所となり、内務省の解体後は、旧建設省の付属機関となり、1960年国土地理院と改称し現在に至る。土地の測量、地図の調整その他これに付帯する事業を実施し、公共団体、公団などの委託に基づき、土地の測量、地図の調整および測量用写真の撮影に関するものをその所掌事務とする。内部部局として、総務、企画、測地、測図、地理調査、地図、測地観測センター、地理地殻活動研究センターが置かれるほか、大地測量に必要な観測および測地常数の測定を行う測地観測所(千葉県鹿野(かのう)山、岩手県奥州市水沢)、国土地理院に基本測量、公共測量その他の測量に関する事務の一部も分掌させるための札幌から福岡まで9か所の地方測量部および那覇に沖縄支所が置かれる。国土地理院は1979年東京都から茨城県(筑波(つくば)研究学園都市)に移転した。

[平田和一・五條英司]

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