地表近接警報装置(読み)ちひょうきんせつけいほうそうち(英語表記)ground proximity warning system

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地表近接警報装置
ちひょうきんせつけいほうそうち
ground proximity warning system

コンピュータによって高度、高度の変化率、グライドスロープからの偏差の情報を分析して、航空機の操縦士に地表や山岳などへの異常な接近を警告する装置。地上接近警報装置ともいうが、一般的には略語のGPWSでよばれている。1975年、アメリカで民間用大型機への装備が義務づけられ、以後世界的に広まった。たとえば、〔1〕山に近づく場合など地表への接近率が異常に大きくなったとき、〔2〕絶対高度2500フィート(約760メートル)以下で降下率が過大なとき、〔3〕離陸後、安全な絶対高度約700フィート(約210メートル)に達する以前に降下を始めたとき、〔4〕フラップと着陸装置が着陸態勢にないのに絶対高度が異常に低くなった場合、〔5〕計器着陸の際、グライドスロープより下に入って一定の値より外れてしまったとき、などの場合にそれぞれのモードに適応した警報を、コンピュータによって合成した人工の声(男声)と赤色の警報灯の点滅で与えるようになっている。この警報は、操縦士がただちにエンジン出力を増し操縦桿(かん)を引いて地表への衝突を回避する操作を行い、航空機が危険な状態から離脱するまで継続し、スイッチなどで消すことはできない。ただし、通常の運航や進入着陸の場合には、コンピュータはその入力される情報によって判断し、無用の警報を発しないように配慮されている。[落合一夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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