塩化カドミウム型構造(読み)えんかかどみうむがたこうぞう(英語表記)cadmium chloride structure

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩化カドミウム型構造」の意味・わかりやすい解説

塩化カドミウム型構造
えんかかどみうむがたこうぞう
cadmium chloride structure

一般式AX2(Aは陽性元素、Xは陰性元素)で示される化合物にみられる結晶構造の一型式。塩化カドミウムCdCl2結晶三方晶系に属し、空間群Rma=6.23Å,α=36.02度の単位格子中にカドミウムイオン1個、塩化物イオン2個が入る。塩化物イオンは立方最密構造に近い配列をとり、イオン半径の比較的大きいカドミウムイオンが八面体型6配位位置の半分を占めるため、塩化物イオンの層が上下からカドミウムイオンの層を挟むサンドイッチ型層状構造となる。MgCl2、MnCl2、FeCl2、CoCl2、NiCl2、NiBr2、NiI2、CdBr2などがこの構造をとるが、ヨウ化カドミウムCdI2になるとヨウ化カドミウム型構造になる。

[岩本振武 2015年8月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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