ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
主軸変換
しゅじくへんかん
transformation of principal axis
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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
与えられた二次式
f(x, y)=ax2+2hxy+by2+c
に対して、座標系を適当な角度だけ回転して新しい座標系をつくれば、
f(X, Y)=lX2+mY2+n
のようにxyの項がなくなるようにできる。このように二次式の変数の積の項をなくすような回転移動を主軸変換(主軸への変換という意味)という。二次式で表される曲線、すなわち二次曲線が、ある直線に関して対称になっているとき、この直線を主軸という。楕円(だえん)と双曲線は直交する2本の主軸をもち、放物線は1本の主軸をもつ。したがって二次式の主軸変換をすることは、この二次曲線の主軸に平行な直線を座標系にとることにほかならない。また対称行列を対角化すること、すなわち対称行列Sに対し、適当に直交行列Uを選び、U-1SUを対角行列とすることを主軸変換ということもある。平面を自分自身に写す線形写像fは、平面に一つの正規直交基底を決めるたびに行列で表現できる。それが対称行列のときは、新たに適当な正規直交基底を選ぶと、これに関してfを行列により表現したものが対角形になることが知られている。このとき、旧正規直交基底を新正規直交基底に写すような直交変換をfの主軸変換という。
以上の2種類の主軸変換は見かけ上異なるが、二次式ax2+2hxy+by2を対称行列
に対応させて考えてみれば、内容的に同一のものであることがわかる。なお、線形写像の立場からいうと、先述の新正規直交基底はfの固有ベクトルになっている。
[高木亮一]
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