方程式ax2+bx+c=0(a,b,cは定数でa≠0)を二次方程式といい,この方程式を満たすxの値をこの方程式の根,または解という。
二次式ax2+bx+cの因数分解がわかるときには,それから根が求まる。つまりax2+bx+c=(a1x+c1)(a2x+c2)と因数分解されれば,-\(\frac{c1}{a1}\),-\(\frac{c2}{a2}\)が根である。またαが根である場合には(x-α)でax2+bx+cを割ることで因数分解が求まり,したがって,もう一つの根が求まる。a,b,cが整数の場合に,\(\frac{n}{m}\)(既約分数)が根となりうるのは,mがaの約数であり,nがcの約数(負の約数も含める)である場合に限られる。
D=b2-4acを上の二次方程式の判別式discriminantという。これを用いると二次方程式の2根は,で与えられる。D≠0のときには,二次方程式は相異なる2根をもち,D=0のときには上の式で与えられる2根は一致し,2重根となる。上の方程式の2根をα,βとすると(2重根のときにはα=β),次の根(解)と係数の関係が得られる。
また,このときD=a2(α-β)2となっている。
以下,a,b,cが実数のときを考える。このとき,Dは実数だから,D>0,D=0,D<0の三つの場合が考えられ,それぞれの場合に応じて,2根α,βは次のようになる。
(1)D>0のときには,
α,βは相異なる実数 ……(2実根)
(2)D=0のときには,
α=βで実数 ……(2重根)
(3)D<0のときには,
この三つの場合に,二次関数y=ax2+bx+cのグラフは,それぞれ図のようになっている。
次にD>0の場合を考えよう。このとき,α,βは異なる実数だからα<βと仮定すると,α,βと0の関係として次の三つが考えられる。0<α<β(α,βは正),α<0<β(αは負,βは正),α<β<0(α,βは負)。これらの三つの条件は,根と係数の関係を用いて,係数a,b,cの条件でいいかえることができる。すなわち,次のようになる。
この三つの場合に応じて,y=ax2+bx+cのグラフは図のようになる。
執筆者:斎藤 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新