六訂版 家庭医学大全科 「外胚葉形成異常」の解説
外胚葉形成異常
がいはいようけいせいいじょう
Ectodermal dysplasia
(遺伝的要因による疾患)
どんな病気か
外胚葉は胎生期の組織で、それに由来する皮膚、毛、爪、汗腺などの
原因は何か
男女ともに発症し、150近くの遺伝性疾患が報告されています。
代表的な病気として、無汗と毛、歯の形成異常を特徴とする
症状の現れ方
成長とともに皮膚、毛、爪、汗腺、歯に症状が現れてきます。皮膚は炎症や感染を起こしやすく、軽度の
汗腺の形成不全を合併する場合、汗の産生が減少し、体温調節が困難になります。歯の異常として、欠損や形の異常、エナメル質の減少がみられます。その他、眼の乾燥、
治療の方法
汗腺形成不全を合併する場合、体温調節が困難なため、夏季にはうつ熱(放熱が不十分な状態となること)を起こしやすく、生活環境の温度調節が重要です。歯の異常がある場合、歯科矯正や、入れ歯、インプラントが必要になる場合もあります。脱毛に対するかつらの使用や眼科的なケアも必要になる場合があります。
病気に気づいたらどうする
小児科あるいは皮膚科専門医を受診し、この病気の可能性について適切な診断を受けることが必要です。病気の遺伝については遺伝相談外来などでカウンセリングを受け、病気に対する正しい理解をもつことが大切です。
山西 清文
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報