外郎売(読み)ういろううり

世界大百科事典 第2版の解説

ういろううり【外郎売】

歌舞伎狂言。歌舞伎十八番の一つ。また歌舞伎に登場する役をもいう。1716年(享保3)1月江戸森田座の《若緑勢曾我(わかみどりいきおいそが)》で2世市川団十郎が初演。小田原名物の薬〈外郎〉を売る風俗を舞台化したもの。薬の言立てが人気を得て戯作の題材になり,早口言葉を主とする長ぜりふを聞かせる。幕末には《助六》に姿のみ見せていた。5世市川三升(10世団十郎),9世市川海老蔵(11世団十郎),10世海老蔵(12世団十郎)がそれぞれ別の脚本で一幕物として上演。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ういろう‐うり ウイラウ‥【外郎売】

[1] 〘名〙 外郎②を売り歩く行商人。早口の口上で有名。
※談義本・医者談義(1759)五「小田原の透頂香(ウイロウ)うり程にしゃべる医者は人多くは嫌ふものなり」
[2] 歌舞伎十八番の一つ。享保三年(一七一八)江戸森田座の「若緑勢曾我(わかみどりいきおいそが)」で二世市川団十郎が初演。曾我十郎が、外郎売りの扮装で妙薬の由来や効能を述べるもの。天保三年(一八三二)の復活以来、「助六」に吸収される。

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世界大百科事典内の外郎売の言及

【外郎】より

…透頂香は,頭痛を去り胃熱を除き口中をさわやかにするとして歓迎されたが,同時に冠や烏帽子の中におさめて頭髪の臭気を防ぐにも用いられたためこの名がある。のち陳氏がこれを北条氏綱に献上してから小田原名物になったといい,外郎と通称されて普及,その行商人の姿は《外郎売》として歌舞伎にもとり入れられている。 菓子のういろうは,ういろう餅ともいう。…

※「外郎売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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