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多極構造 たきょくこうぞうmultipolar system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多極構造
たきょくこうぞう
multipolar system

いくつかの大国に大きな力が配分され,しかもそれらの大国の間に固定的な同盟関係が存在しない国際体系の構造をいう。具体的には,1970年代に入って国際関係が多様化,複雑化し,従来二極構造 (→二極体制 ) を形成していた米ソ両超大国だけでなく,核保有国として国連に加盟した中国,経済的・政治的・軍事的な共同体としての西ヨーロッパ,驚異的な経済発展をとげた日本などが国際政治の主要な勢力と認められるようになり,多極化した状況をいう。そのため「三極構造」「五極構造」という,より具体的な概念も用いられるようになった。多極構造については,他の構造に比べて安定的とする説と不安定とみる説とがある。すなわち,多極構造の特色は国家間関係の多様化,複雑化であり,そのため柔軟な外交政策が可能になる結果,勢力均衡が作用し,緊張が緩和されるとみなされる反面,不確定要因が増大し,国益の衝突も分散拡大するという側面が指摘される。結局,ある時代の国際体系の構造の特徴は具体的な条件によって左右されるわけであるが,20世紀の多極構造は,(1) 主要国間のイデオロギー的合意の欠如,(2) 国際情勢の不安定性,(3) 勢力均衡政策では操作できない急激な情勢変動などの諸点で,勢力均衡体制としての 19世紀のウィーン体制とは異なっている。

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