大東輿地図(読み)だいとうよちず

改訂新版 世界大百科事典 「大東輿地図」の意味・わかりやすい解説

大東輿地図 (だいとうよちず)

朝鮮李朝地図金正浩(号は古山子。?-1864)作。1861,64年に木版印刷で刊行した罪により作者は刑死した。縮尺16万2000分の1。朝鮮全土を緯線方向で22葉に分割し,各葉を横折りにしてある。27年間の現地踏査を行い,過去の地図も参照し,測度法を取り入れて作製した。李朝の地図中,最高傑作で,前近代の歴史・地理研究に役立つ。姉妹編に《青丘図》2巻と《大東地志》32巻がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大東輿地図」の意味・わかりやすい解説

大東輿地図
だいとうよちず

朝鮮、李朝(りちょう)末の地図。金正浩撰(せん)。1861年刊。従来の地図作成の成果を総合した画期的地図で、全朝鮮を約1万6200分の1の大きさで描き、それを縦22段に切断して、各段を横に一定幅で折り畳み、しかもその折り目は上段と相対応し、つながるようにしてある。郡県境界、山、川、道路道庁、郡県治、駅、倉庫村落などさまざまな事項がそれぞれ一定の標識で記入されており、単なる李朝末の現勢地図にとどまらず、歴史地図的性格も強く有している。

[北村秀人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大東輿地図」の意味・わかりやすい解説

大東輿地図
だいとうよちず
Taedong-yojidǒ

朝鮮,朝鮮王朝 (李朝) の哲宗 12 (1861) 年に金正浩によって編まれた朝鮮全道の地図。 1936年縮刷版と,所載地名索引が出版された。地図には山脈,山,河川,営衙,邑治,城跡,鎮堡,駅站,倉庫,牧所,古鎮堡,烽燧,陵寝,坊里,古縣,古山城など1万 1600地点が標識で示され,道路は 10朝鮮里ごとに点をつけている。この地図は古くからの朝鮮地図を整理したもので,『輿地勝覧』や『輿地便覧』とも対応するところが多い。

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