大西洋の中央部をほぼ南北に走る全長約1万kmの代表的な中央海嶺。北はチャーリー・ギブズCharlie-Gibbs断裂帯によってレイキャネス海嶺と境されており,南は南緯55°のブーベ島付近で多数の小さな断裂帯で切られながら東西方向に曲がって南西インド洋海嶺に続いている。山頂部は起伏の多いけわしい地形をもち,突出部はアゾレス諸島(北大西洋),アセンション島(南大西洋),セント・ポール・ロック(赤道付近)のように海面上に出ている所もあるが,ふつうは水深2000mほどである。山頂の中軸には,まわりよりも1000~3000mへこんだ幅30~50kmの中軸谷median rift valleyがある。アメリカ,フランス両国によるFAMOUS計画によってアゾレス諸島南西640km(北緯37°)の中軸谷の底が詳しく調べられ,新鮮な枕状溶岩(深海性ソレアイト質玄武岩)の露頭と海嶺軸に平行な割れ目の存在が確認された。南・北アメリカ大陸とヨーロッパ・アフリカ大陸は,この中軸からわき出しては両側に1年に約2cmの速さでひろがる海底によってしだいに離されつつあると考えられている。
→海嶺
執筆者:小林 和男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
大西洋の中央を走る海嶺。赤道付近で断裂帯により大きく東西方向にずれ、全体としてS字形になっている。北部はアイスランドを経て北極海に延びる。南部は二つに分かれて、東側は南西インド洋、西側は太平洋、南極海の海嶺に連なっている。中心部には顕著な中軸谷がみられ、海底火山や地震活動がある。
[勝又 護]
…中央海嶺の山頂にはしばしば中軸谷という地溝状凹地が存在する。大西洋中央海嶺のようにプレートの分離速度が遅い中央海嶺は,地形が急峻で中軸谷を有する。分離速度の速い東太平洋海膨などでは,地形はゆるく膨らんだ形を呈し,中軸谷もない(図1)。…
…南極海は大西洋,インド洋,太平洋の一部であるが,この海域の気象,海流,生物分布などについては〈南極海〉の項を参照。
[海底地形,地質構造,地史]
大西洋底を最も特徴づけるのは,そのほぼ中央を南北に走る大西洋中央海嶺である。ドイツのメテオール号の航海(1925‐27)によってその地形・地質学的特徴が明らかにされて以来,北はアイスランドを経て北極海まで,南はアフリカ南方を通ってインド洋に続くことがわかった。…
※「大西洋中央海嶺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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