大石駅(読み)おおいしのえき

日本歴史地名大系 「大石駅」の解説

大石駅
おおいしのえき

平安時代末期にみえる宿駅名。「吾妻鏡」によれば、治承四年(一一八〇)一〇月の富士川の戦の直前、石和いさわ御厨に集結した甲斐源氏は、源頼朝の軍に合流するため北条時政らとともに同月一三日に駿河国へと行動を起こすが、その日も暮れて大石駅に止宿した。もっとも古代駅制の甲斐路には「水市・河口加吉」の三駅のみが知られ(延喜式)、ほかの古代の史料にも大石駅の名はみられない。


大石駅
おおいしのえき

鎌倉時代にみえる駅名。潤井うるい川上流右岸、現上条かみじよう大石たいせき寺付近と推定される。「吾妻鏡」の治承四年(一一八〇)一〇月一三日条に「止宿大石駅」とみえ、源頼朝の協力要請を受けた甲斐源氏の武田信義・一条忠頼らと頼朝の使者北条時政父子とが大石駅に止宿している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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