大虫神社(読み)おおむしじんじや

日本歴史地名大系 「大虫神社」の解説

大虫神社
おおむしじんじや

[現在地名]武生市大虫町

おにヶ岳の南東麓、中世の大虫荘域のほぼ中央に、南面して鎮座する。祭神天津日高彦火火出見あまつひたかひこほほでみ尊。旧県社。

近江若狭・越前寺院神社大事典〉

〔名神大社〕

「延喜式」神名帳に丹生にう郡一四座中、唯一の名神大社として記される。社伝によれば、蝗虫を駆除し養蚕を守護する神から社名が起こり、これが荘名にもなったと伝える。初め鬼ヶ岳山頂に鎮座していたが、のち現在地に移ったとも、鬼ヶ岳の神を勧請し祀ったともいう。「続日本紀」宝亀一一年(七八〇)一二月一四日条に越前国丹生郡大虫神とみえ、従五位下となっており、延暦一〇年(七九一)には従四位下になっている(同書同年四月一五日条)称徳天皇の大嘗会の時、越前国が主基方となり、抜穂を納めた際には、当社がしばしば斎庭にあてられて勅使が遣わされたという。「延喜式」臨時祭の項にも神名がみえる。永万元年(一一六五)六月日の神祇官諸社年貢注文(永万文書)には「大虫社真漆一斗本」とある。


大虫神社
おおむしじんじや

[現在地名]加悦町字温江 虫本

「延喜式」神名帳に与謝郡大虫オホムシノ神社名神」とある式内社。大己貴命・少童命・大田命を祀る。もと大江おおえ山中腹いけなるに鎮座していたのが、中世現地に移されたという。旧府社。

文徳実録」斉衡二年(八五五)正月二五日条に「丹波国大虫神永加従四位下」とあり、丹後国田数帳に「大虫社 十四町七段二百卅六歩 御免」と記される。

用明天皇の皇子麻呂子親王が大江山の鬼賊退治の時、祈願のため自ら神像をつくって納めたという伝説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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