大谷地貝塚(読み)おおやちかいづか

日本歴史地名大系 「大谷地貝塚」の解説

大谷地貝塚
おおやちかいづか

[現在地名]余市郡余市町登町・栄町

黒川くろかわ砂丘の標高約五メートルに立地する縄文時代中期から後期にかけての集落および貝塚遺跡。大正時代から知られていた貝塚で、第二次世界大戦前には、大学や地元研究者らにより学術発掘が行われた。戦後低湿地の埋立て、果樹園栽培などの土地利用で貝塚の一部は消失、その位置さえも不明となった。そのため余市町教育委員会では平成九年(一九九七)国庫補助を受けて遺跡の全体像を把握するため詳細な分布調査を実施。その結果、縄文時代の汀線とともに貝塚五ヵ所・住居跡四軒・焚火跡八ヵ所が発見され、生活の場や当時の自然地形が一帯となって存在していることが判明した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「大谷地貝塚」の解説

おおやちかいづか【大谷地貝塚】


北海道余市郡余市町登町にある縄文時代中期から後期にかけての貝塚をともなう集落跡。余市湾に面する黒川砂丘の余市町登町など3万3000m2の範囲におよぶ。大正時代から断続的に発掘調査され、1935年(昭和10)には出土した土器から余市式土器が設定され、北海道南部における縄文時代中期末の標式遺跡となった。2000年(平成12)に国指定史跡となった。貝塚は5ヵ所、住居跡が4軒、たき火跡8ヵ所のほか墓地が発見されている。貝塚からは、コタマガイイガイなどの貝のほか、ニシンホッケカレイアシカオットセイトドなども出土している。日本海側には貝塚の例が少なく、北海道の代表的貝塚遺跡である。現在は未公開だが、出土した土器はよいち水産博物館に展示されている。JR函館本線余市駅から中央バス「余市役場前」下車、徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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