大須観音(読み)オオスカンノン

デジタル大辞泉 「大須観音」の意味・読み・例文・類語

おおす‐かんのん〔おほすクワンオン〕【大須観音】

名古屋市中区大須にある真福寺通称

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精選版 日本国語大辞典 「大須観音」の意味・読み・例文・類語

おおす‐かんのんおほすクヮンオン【大須観音】

  1. 名古屋市中区にある真言宗智山派の寺、真福寺(しんぷくじ)の通称。美濃国中島郡長岡庄大須郷(現在の岐阜県羽島市)に創立徳川家康により現在地へ移された。宝生院

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大須観音」の意味・わかりやすい解説

大須観音
おおすかんのん

名古屋市中区大須にある真言宗智山(ちさん)派の寺。真福寺(しんぷくじ)の通称で、寶生院(ほうしょういん)ともいう。山号は北野山。14世紀ころ能信(のうしん)が密法を伝えるため、美濃(みの)国中島郡大須庄(岐阜県羽島市)に一寺を建立したのに始まる。1350年(正平5・観応1)後村上(ごむらかみ)天皇の勅願所となり、52年に摂津国(大阪府)四天王寺(してんうじ)から伝空海作の聖観音(しょうかんのん)像を移して本尊とした。のち戦乱や天災で寺勢が衰えたが、1612年(慶長17)徳川家康により現在地に移転、以後徳川家の庇護(ひご)を受けて栄えた。国宝の『翰林(かんりん)学士詩集』『古事記』『琱玉集(ちょうぎょくしゅう)』『食貨志(しょっかし)』、国指定重要文化財の『本朝文粋(ほんちょうもんずい)』『将門記(しょうもんき)』など古典籍を多数蔵し、それらは真福寺本(大須本)として知られる。万松寺(ばんしょうじ)通りとよばれる門前町盛り場となっている。

[金岡秀友]


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デジタル大辞泉プラス 「大須観音」の解説

大須観音

愛知県名古屋市中区にある寺院、北野山真福寺宝生院の通称。真言宗智山派の別格本山。大須庄(現在の岐阜県羽島市)にあった観音堂を、1612年に徳川家康が現在地に移転。寺内にある真福寺文庫は「古事記」の最古写本(国宝)など多くの古典籍を所蔵

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世界大百科事典(旧版)内の大須観音の言及

【真福寺】より

…山号は北野山宝生(ほうじよう)院。当初は大須庄(現在の岐阜県羽島市)にあり,伝空海作の観音像を本尊としたので大須観音ともよばれる。14世紀中ころ伊勢神官度会(わたらい)行家の子能信が創建,後村上天皇勅願所となり,1612年(慶長17)徳川家康の命で現在地に移された。…

※「大須観音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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