出雲(いずも)の国譲りの際高天原(たかまがはら)から第二の使者として派遣された神。弓矢を授かって地上に降りたが、大国主命(おおくにぬしのみこと)の女(むすめ)の下照比売(したてるひめ)と結婚して8年間復命を怠った。雉(きじ)がその理由を問うために派遣されたが射殺してしまい、矢は高天原に達したのちさらに地上に投げ返され、その矢に当たって死んだ(『古事記』)。『旧約聖書』のニムロッドの矢と同一で返し矢型説話といわれるものである。この神は反逆者として扱われているが本来は首長の象徴としての弓矢を持って地上に降りる者であった。「日」が太陽の意なら、若い太陽神であり、天照大神(あまてらすおおみかみ)を小型にしたような神。女性神の稚日女尊(わかひるめのみこと)(『日本書紀』)と対比される。
[守屋俊彦]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...