知恵蔵 「女子力男子」の解説
女子力男子
「女子力男子」という言葉は、若者をターゲットにしたマーケティングの第一人者でもある、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー・原田曜平が2014年12月に出版した『女子力男子~女子力を身につけた男子が新しい市場を創り出す』(宝島社)によって広まった。原田は仕事を通じて延べ1万人の若者と会って話をしてきた中で、約10年前に若い男性の体型の変化を、約5年前に内面の変化を肌感覚で実感したという。女子力が高いと思われる男性81人にインタビューをした同書によると、女子力男子の中で一番割合が多いのが、美を追求する「ビューティ男子」。この他、かわいらしい仕草をする「ぶりっこ男子」、料理やお菓子作りが得意な「パティシエ男子」、甘いものが好きな「スイーツ男子」、家庭的な雰囲気を漂わせる「おかん男子」などの例が挙げられている。また、シンガポールや中国などアジアでも女子力男子が増えていると指摘。化粧品やお菓子、飲料など、女子力男子をターゲットにした市場の拡大にも言及し、多様性のある社会を肯定的に捉えている。
(松岡理絵 フリーランスライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報