江戸中期に婦女子の啓蒙(けいもう)教化、実用日益を主として刊行された書物。近世初期の民衆文化の向上に伴い、仮名草子(かなぞうし)などとともに発生した。そのおもなものは、1692年(元禄5)艸田寸木子(くさだすんぼくし)著『女重宝記』、1702年(元禄15)に『新板増補女重宝記』、1711年(正徳1)に『女重宝大成』、またそのころに西川祐信(すけのぶ)著並画『女重宝記』、1847年(弘化4)に、高井蘭山(らんざん)著『絵入日用女重宝記』などが刊行されている。これらの書はいずれも世の推移につれ流行を追い、補足訂正されていったもので、『絵入日用女重宝記』には、一之巻に女風俗の評判、言葉遣い、化粧、衣服のこと、二之巻に祝言に関すること、三之巻は懐妊中の心得、四之巻には女の学ぶべき諸芸(手習い、和歌、箏(そう)、かるた、聞香(ぶんこう)など)、五之巻には女節用字尽くし、女用器財、衣服、絹布、染色の諸名などが載せられている。
[北條明直]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...