始教(読み)しきょう

精選版 日本国語大辞典 「始教」の意味・読み・例文・類語

し‐きょう‥ケウ【始教】

  1. 〘 名詞 〙 仏語華厳宗(けごんしゅう)教判である五教の第二時。すべてのものは実体がなく空(くう)であると説く般若(はんにゃ)経などの空始教と、因縁によって生じた諸存在の姿を区別し五性はおのおの別であると説く解深密(げじんみつ)経などの相始教の二種がある。大乗始教。→五教十宗
    1. [初出の実例]「如華厳宗五教而摂一切仏教、所謂小乗教始教終教頓教円教是也」(出典選択本願念仏集(1198頃))
    2. [その他の文献]〔五教章冠註‐一〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「始教」の意味・わかりやすい解説

始教
しきょう

大乗始教の略。華厳宗が行う仏教の分類法うちの一つ。生教,権教,分教ともいう。このなかには,すべてのものは実体がなく空であると説く『般若経』などの空始教と,因縁によって生じた諸存在の性相五性各別に説く『解深密経』などの相始教とがある。

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