婚外子(読み)こんがいし

知恵蔵の解説

婚外子

婚姻届を出していない男女間に生まれた子。非嫡出子。2004年11月、戸籍法施行規則が改正され、婚外子の戸籍の続柄欄の記載方法が改められた。それまでは嫡出子と区別して「男」「女」と表記されていたが、嫡出子と同じく「長男」「二女」などと記載されることとなった。法務省が方針転換した背景には、「一見して非嫡出子と分かる記載方法はプライバシー権の侵害だ」と指摘した、04年3月2日の東京地裁判決がある。

(吉岡寛 弁護士 / 2007年)

婚外子

法的に婚姻関係にない男女から生まれた子供。法律上は、非嫡出子と呼ばれる。非嫡出ではマイナスイメージがあるため、1980年代以降、婚外子差別反対運動をする人たちの中で使われ始めた。婚外子出産のきっかけは、結婚を拒否し子供だけ欲しくて生んだケース(いわゆるシングルマザー)、男性の妻が離婚に同意しないため仕方なく婚外子として出産するケース、夫婦別姓を保つために結婚届を出さない事実婚で生まれる子供など、様々である。戦前は一夫多妻的慣習が残っていたため婚外子比率も高く、7〜10%に達していたが、戦後急速に低下し、現在は2%程度にすぎない。欧米では70年代以降、同棲が増え、結婚を経ず出産するケースが多くなり、北欧では約半数が婚外子として生まれている。

(山田昌弘 東京学芸大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディアの解説

婚外子【こんがいし】

婚姻関係を結んでいない両親から生まれた子。世界的には,スウェーデン,デンマークなどの北欧でその出生率が高く,米国,フランス,英国,カナダなどの先進国では増加傾向にある。こうした国ごとの出生率の違いは,妊娠と結婚に対する考え方の違いによるところが大きい。日本においては,1910年の9.4%をピークに下降し,現在1%前後という非常に低い数字である。しかし,婚外子に対する差別は大きい。 民法では,婚姻している両親から生まれた子が〈嫡出子〉と呼ばれるのに対し,婚外子は〈非嫡出子〉と規定され,遺産の法定相続分は嫡出子の半分である。また,戸籍や住民票,健康保険証などに,嫡出子は〈長男・長女〉などと記載されるが,婚外子は〈男・女〉の記載のみである。こうした差別には批判の声が高く,徐々に解消される方向ではある。近年特に,結婚とはなにかをあらためて問い直す姿勢や,今までの結婚の枠にとどまらない新しい男女の関係が肯定的に受けとめられつつある。国際連合は1989年に採択した〈子どもの権利条約〉で,婚外子に対する差別を禁止している。→シングル・マザー非婚私生子

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世界大百科事典内の婚外子の言及

【私生児】より

…適法の婚姻によって結ばれた夫婦以外の関係から生まれた子どもが私生児であり,婚外子,非嫡出子とも呼ばれる。
[ヨーロッパ]
 キリスト教が一般化する以前のヨーロッパでは,結婚制度そのものに不確定の要素が多かったから,当然私生児の定義も流動的であった。…

※「婚外子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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