私生子(読み)しせいし(英語表記)bastard, illegitimate child

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

私生子
しせいし
bastard, illegitimate child

一般に父親の知れない子をいう。日本の民法旧規定では婚姻外に生れた子をその生母に対して私生子と呼び,その子が父に認知されると庶子と呼んだ。 1942年,民法の一部改正により,法律上この名称は廃止され,現行民法上はいずれも嫡出でない子と呼ばれる (779条など) 。

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百科事典マイペディアの解説

私生子【しせいし】

私生児(しせいじ)とも。婚姻外の子をその母に対して私生子という。戸籍にまでこの名称を記載するのは酷であるというので民法改正(1942年)により,庶子の呼称とともに廃止された。現行法は,婚姻外の子を,父との関係でも,母との関係でも〈嫡出でない子〉(非嫡出子)と称する。嫡出でない子は母の氏を称し,母が親権者となり,認知されるまで父子関係が発生せず,認知されても当然に父との間に親権関係を生ずるわけではない(民法779,819条)。嫡出子に比して,相続上不利な取扱いを受ける(民法900条4号但書)。→準正
→関連項目婚外子実子

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大辞林 第三版の解説

しせいし【私生子】

民法旧規定で、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子。認知された子は庶子として家籍に入れられた。1942年(昭和17)に名称を廃止。現在の民法では「嫡出でない子」という。私生児。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

私生子
しせいし

明治民法の下では、未婚の母の生んだ子を母の私生子(私生児(しせいじ))とよび、その子が父に認知されると、父の庶子とよんだ。現在、この名称は法律上廃止され、いずれも「嫡出でない子」とよばれている。ヨーロッパ社会では、かつては、私生子はすこぶる虐待されたが、しだいに嫡出子との差別が撤廃されてきている。日本では、古くは「家」制度を維持するために、妻に子ができない場合には夫がよそで子をつくることがむしろ奨励されたため、私生子もかなり優遇されてきた。ただし、2013年(平成25)の民法改正前は、相続において、嫡出子と私生子とがいれば、私生子(認知されている場合)の法定相続分は嫡出子の2分の1であるとされ、私生子が不利な立場に置かれていた(民法900条4号但書)。しかし、同年9月4日、最高裁判所の大法廷は、同規定が法の下の平等を定める憲法14条1項に違反する旨を決定した(民集67巻6号1320頁)。この判決を受けて、民法900条4号但書のうち、私生子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする旨を定める部分が削除されたため、現在では、嫡出子と私生子の相続分は同等になっている。[山本正憲・野澤正充]
『竹田旦「私生児観の変遷」(『史潮』57号所収・1955・大塚史学会) ▽「私生児の方言」「私生児のこと」(『定本柳田国男集15』所収・1963・筑摩書房)』

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