嬥歌(読み)カガイ

精選版 日本国語大辞典 「嬥歌」の意味・読み・例文・類語

かが・うかがふ【嬥歌】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 男女が集まって、歌舞飲食などをする。嬥歌(かがい)をする。
    1. [初出の実例]「鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて 未通女(をとめ)壮士(をとこ)の 行き集ひ 加賀布(カガフ)嬥歌(かがひ)に」(出典万葉集(8C後)九・一七五九)

かがいかがひ【嬥歌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かがう(嬥歌)」の連用形の名詞化 ) 上代の東国で、「歌垣(うたがき)」をいう語。春秋の二季に、特定山上水辺などに近隣の男女が集まり、飲食、歌舞、交歓した行事。→歌垣。〔常陸風土記(717‐724頃)〕

嬥歌の補助注記

「嬥歌(ちょうか)」は「文選」の「魏都賦」に見える、中国の巴(は)(=四川省)地方の民謡で、人々が集まり、歌いかつ踊るもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「嬥歌」の意味・わかりやすい解説

嬥歌 (かがい)

歌垣(うたがき)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の嬥歌の言及

【歌垣】より

…〈歌垣〉(《古事記》清寧天皇条),〈歌場〉(《日本書紀》武烈天皇条)と字をあてるのは,男女相囲む形や場を意識するためか。《文選(もんぜん)》でカガイに〈嬥歌〉をあてるのは,その踊り歌う意による。春秋,一定の時期・場所に,村々から盆踊に集まるように,老若男女相会して飲食・歌舞し,性を解放した行事である。…

※「嬥歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android