日本大百科全書(ニッポニカ) 「子ども虐待防止世界会議」の意味・わかりやすい解説
子ども虐待防止世界会議
こどもぎゃくたいぼうしせかいかいぎ
International Congress on Child Abuse and Neglect
子供虐待の問題にかかわる国際機関や世界各国の非政府組織(NGO)、専門家などが集まり、虐待防止について話し合う国際会議。子供の虐待やネグレクト(育児放棄)の治療や予防に携わる医療関係者を中心に、保健や福祉、教育、司法、行政などの専門家が集まり、シンポジウムやワークショップを通して議論が行われる。主催は世界子ども虐待防止学会(International Society for the Prevention of Child Abuse and Neglect:ISPCAN)。子ども虐待防止世界会議は1976年にジュネーブ(スイス)で初めて開かれ、以降は2年に1度、ISPCANと開催国の団体が共同で開催している。
2014年(平成26)9月の第20回会議は、ISPCANと一般社団法人日本子ども虐待防止学会(JaSPCAN)によって日本で初めて開かれた。およそ70の国と地域から2500人あまりが開催地の名古屋に集まり、「子ども中心の社会に向けて」をメインテーマに、(1)子ども虐待に対応する社会制度の発展への挑戦、(2)世代間連鎖を断つ子どもと家族のケア、(3)妊娠期からの親子支援、(4)子ども虐待の予防と虐待の被害者の治療など、虐待対応にかかわる機関・人材の育成、(5)災害の被害を受けた子どもたちのための社会制度の開発、をサブテーマとして、議論や事例報告を行った。
[編集部]