筆順(読み)ヒツジュン

デジタル大辞泉 「筆順」の意味・読み・例文・類語

ひつ‐じゅん【筆順】

文字、主に漢字を書くときの筆運び順序書き順

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精選版 日本国語大辞典 「筆順」の意味・読み・例文・類語

ひつ‐じゅん【筆順】

  1. 〘 名詞 〙 文字を書くときの、筆の運びの順序。

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改訂新版 世界大百科事典 「筆順」の意味・わかりやすい解説

筆順 (ひつじゅん)

漢字の筆画を組み合わせて,1字を書きあげるときの順序を筆順という。筆順はだれがきめたというのではなく,古人が何代にもわたって考え出した知恵であるから,きわめて合理的,かつ能率的である。したがって漢字習得にあたっては大いに利用すべきである。つぎに,文部省の《筆順指導の手びき》によって,およその原則を記しておく。(1)上から下へ書く。〈三〉。(2)左から右へ書く。〈川〉。(3)横画縦画が交差する場合。(a)横画が先。〈十〉。(b)縦画が先。〈田〉。(4)中と左右があって,左右が1・2画の場合は中が先。〈小〉。(5)外側から囲む形をとる場合は外が先。〈国〉。(6)左ばらいと右ばらいが交差する場合は左ばらいが先。〈人〉。(7)字全体をつらぬく縦画は最後に書く。〈中〉。(8)字全体をつらぬく横画は最後に書く。〈女〉。(9)横画が長く左ばらいが短い字は左ばらいが先。〈右〉。(10)横画が短く左ばらいが長い字は横画が先。〈左〉。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「筆順」の意味・わかりやすい解説

筆順
ひつじゅん

文字の字画を書く順序。おもに漢字、仮名についていう。漢字には字画の複雑なものが多いために、筆順が問題になるが、本来毛筆で容易に整った字体を書くためのものであり、「必」「飛」「馬」のように2通り以上の筆順が広く認められている文字もある。「上から下へ」「左から右へ」の二大原則があるが、例外も存する。字源は一般に関係ないが、「右」「有」などの「ナ」の筆順が「丿」を先に書くのは、もと「又」からの変形だからである。楷書(かいしょ)と行書(ぎょうしょ)は同じ筆順であることが多いが、「書」「年」など草書(そうしょ)は異なる場合がある。片仮名は漢字から出た字だから、その筆順は漢字に準ずるが、「メ」(「女」の終二画)や「ヨ」(「与」の終画)のように、後世変わったものもある。硬筆万年筆、鉛筆、ボールペンなど)は毛筆よりも運用が自由だから、筆順の乱れることが多いが、「おおざと・こざと」を「|」から書いたり、「ヲ」を「フ」から書いたりするのは、矯正すべきであろう。

築島 裕]

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