デジタル大辞泉
「宇良神社」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
宇良神社
うらじんじや
伊根の漁師のなげ節に「本庄浦島、島じゃと言うたに、島じゃござんせぬ田圃中」と歌われるとおり、浜からは遠ざかった所にある。傍らを筒川が流れ北面して社殿が建つ。浦島大明神・筒川大明神ともよばれる。「丹哥府志」「宮津府志」は本庄宇治村にあると記し、社名を浦島社としている。「延喜式」神名帳にみえる与謝郡宇良神社に比定される。
「丹哥府志」に「浦島の本社寺と檐を斉ふす」とされていた浦島社の別当平野山来迎寺はいま近接の字本庄宇治の山際に移っている。祭神は「丹哥府志」に浦島太郎・曾布谷次郎・伊満太三郎・島子・亀姫とある。「宮津府志」も同じ祭神をあげ、曾布谷次郎・伊満太三郎は太郎の弟とする。太郎に子がなかったので天に祈り男子を授かり島子と名付けた。この島子が亀を釣り、亀が美しい姫に化して島子を誘って海神の宮に至ったと伝える。
〔浦島伝説〕
古く「丹後国風土記」逸文に「浦嶼子」、「日本書紀」雄略天皇二二年七月条に「丹波国余社郡の管川の人瑞江浦嶋子」の物語があり、「扶桑略記」は同じことをやや詳しく伝える。「万葉集」巻九にも「水江の浦島の子を詠む一首并せて短歌」が載る(ただし水江は現竹野郡網野町にあった浅茂川湖といわれ、同地周辺も有力な浦島伝説の地である。竹野郡の→浅茂川湖 →網野神社)。
なお「元亨釈書」巻一八(如意尼の伝)は、水江浦島子(浦島太郎)に関連した説話を伝える。それによると、丹州余佐郷の人如意尼は、淳和天皇が皇太子の時霊夢によって見いだされ、妃となった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の宇良神社の言及
【伊根[町]】より
…伊根湾には,階下が船場で,2階が住居になっている独特の船屋がある。浦島伝説が伝わる地で,宇良神社(浦島神社)は浦島太郎をまつり,玉手箱,乙姫小袖,浦島絵図などが伝えられ,南北朝期前後の成立とされる《浦島明神縁起》は重要文化財に指定されている。【松原 宏】。…
【浦島太郎】より
…浦島伝説を素材にした文学作品には近松門左衛門《浦島年代記》,明治時代に入ってからは,島崎藤村《浦島》(詩),森鷗外《玉篋両浦嶼(たまくしげふたりうらしま)》(戯曲),坪内逍遥《新曲うら島》(楽劇)などが知られている。 現在,浦島伝説を伝える地は,京都府与謝郡の宇良神社(浦島神社),神奈川県横浜市の浦島の足洗い井戸・腰掛石,長野県木曾郡の寝覚ノ床などがあり,それぞれ独自の話を伝えている。一方,昔話の〈浦島太郎〉は全国に分布し,内容的には,動物報恩のモティーフを発端とする一般型が多い。…
※「宇良神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 