宇陀法師(読み)うだのほうし

精選版 日本国語大辞典 「宇陀法師」の意味・読み・例文・類語

うだのほうしウダのホフシ【宇陀法師】

  1. [ 一 ] 宇多天皇の愛蔵した和琴(わごん)名器の名。檜(ひのき)製。一条天皇の内裏焼亡のさいに焼失したという。
  2. [ 二 ] 俳論書。一冊。李由・許六編。元祿一五年(一七〇二)刊。蕉風俳諧格式を定めるべく、芭蕉遺教歌学の知識にもとづき記した作法書。「誹諧撰集法」「当流活法」「巻頭并俳諧一巻沙汰」の三部より成る。

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改訂新版 世界大百科事典 「宇陀法師」の意味・わかりやすい解説

宇陀法師 (うだのほうし)

俳諧論書。李由・許六(きよりく)編。1702年(元禄15)刊。1冊。井筒屋庄兵衛板。題号は,宇多帝遺愛の和琴の銘によるもの。内容は3部に分かれ,〈誹諧撰集法〉では撰者みずからの句を入集させることなどの編集法について,〈当流活法〉では主として切字(きれじ)について,〈巻頭幷俳諧沙汰〉では連句の心得について論ずるが,文中に触れられる蕉風俳諧論など注目すべき点が多い。前著篇突(へんつき)》よりもいっそう整理された記述で格式を重んじている。
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