安中城下(読み)あんなかじようか

日本歴史地名大系 「安中城下」の解説

安中城下
あんなかじようか

九十九つくも川南岸に位置する安中城を中心に、同川と南方を流れる碓氷うすい川に挟まれた台地上に広がる城下町。「上野志」「安中志」によれば、永禄二年(一五五九)安中越前守忠政(正)が当地に城を築き、城下町の成立もこのときという。慶長一九年(一六一四)井伊直政の長男直勝(直継)が江州佐和山さわやま(現滋賀県彦根市)から三万石で入封して城を再興、四月には上・下の野尻のじり村、谷津やつ村の中山道沿いに西から上野尻谷津伝馬てんま・下野尻の町並を建て、伝馬町を中山道安中宿として整備したという(「安中志」ほか)

天和元年(一六八一)板倉重形が一万五千石をもって封ぜられた。「安中記」によれば当時の安中城下は下野尻村の町場(長さ五町四七間、家数一四〇)伝馬(長さ三町四四間、家数六五)常木つねぎ(家数九)谷津村の町場(長さ五町三間、家数一〇三)、上野尻村の町場(長さ五町一〇間、家数一三五)である。しかし、これらの町は安中宿の町続き町として発展する一方、安中城下の町場的役割を果したが、支配に関しては村方支配であったようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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