安座(読み)アンザ

デジタル大辞泉 「安座」の意味・読み・例文・類語

あん‐ざ【安座/安×坐】

[名](スル)
あぐらをかくこと。また、くつろいで座ること。
何もしないで安らかな状態でいること。
「その様子を見ると、手をつかねて―していられなくなる」〈二葉亭浮雲
[類語]座るする腰掛ける掛ける着座する着席する正座する端座する静座する黙座する腰を下ろす着く跪く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「安座」の意味・読み・例文・類語

あん‐ざ【安座・安坐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 落ち着いて坐ること。くつろいで坐ること。また、あぐらを組んで楽に坐ること。
    1. [初出の実例]「諸仏自受用三昧に安坐せり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
    2. 「人の来ることがなき時には、簾を垂れて、其の中に晏坐して」(出典:三体詩素隠抄(1622)三)
    3. [その他の文献]〔荘子‐説剣〕
  3. ( ━する ) 危急の場合などに、何もしないでのんびりしていること。
    1. [初出の実例]「今日徒らに致安座候ては矢張助桀為逆之理に御座候」(出典:前田孫右衛門宛吉田松陰書簡‐安政五年(1858)七月一三日)
  4. ( ━する ) 安らかにいること。安泰。また、安定させること。
    1. [初出の実例]「貴人の御前の心に安座して」(出典:風曲集(1423頃))
    2. 「誠に此度判官殿の忠節にて、我々迄あんざの段浅からず候へ共」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)燈籠)
  5. 仏語。仏像を奉じて殿堂に安置する仏事。
    1. [初出の実例]「赴相国寺仏殿三聖安座点眼仏事之請」(出典:空華日用工夫略集‐至徳二年(1385)一一月二〇日)
  6. 能の型の一つ。あぐらを組んだ形で坐ること。どっかと坐る様子や、がっかりして泣きくずれる様子を表わす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android