中国、宋の政治、経済、社会などの諸制度を類別して年代順に記述した書。宋綬(そうじゅ)らによる奉勅撰(ほうちょくせん)。宋代は中央集権的制度の整った時代で、これらを記したものが重要となった。そこで北宋、南宋を通じてたびたび編纂(へんさん)されたが、原本はひとつも伝わっていない。現行本は、1808年に清(しん)の徐松(じょしょう)らが『全唐文』を編修したときに『永楽大典(えいらくたいてん)』から収録したもので、徐松本とよばれる。徐松本『宋会要』は変遷ののちに北平(北京(ペキン))図書館に寄託され、1936年以後たびたび出版され流布した。帝系5冊、后妃1冊、礼33冊、楽3冊、輿服(よふく)3冊、儀礼6冊、崇儒(そうじゅ)4冊、運暦1冊、瑞異(ずいい)1冊、職官49冊、選挙14冊、道釈1冊、食貨43冊、刑法8冊、兵15冊、方域9冊、蕃夷(ばんい)4冊の合計17編200冊からなっている。整理その他不十分な点も多いが、宋代研究の根本資料としてきわめて重要な書である。
[伊原 弘]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…それらは板木に彫られることなく後に散逸したが,明代の《永楽大典》中にかなり多く採録されていた。 19世紀のはじめ《全唐文》を編纂した徐松(1781‐1848)はその副産物として《永楽大典》の中の宋代の会要をすべてぬき出して《宋会要輯稿》を作り,1936年これが北京図書館から200冊の影印本として出版された。この徐松輯本《宋会要》は,それ以後の宋代制度,経済史研究の飛躍的進展に大きな役割を果たしている。…
…清の徐松(1781‐1848)の編。《宋会要》とも簡称する。宋代の会要は,1044年(慶暦4)の《慶暦国朝会要》150巻から,1236年(端平3)の《嘉定国朝会要》588巻まで,南北両宋の時代に応じて編纂され,10種類の多きに達する。…
※「宋会要」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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