宋会要(読み)ソウカイヨウ

デジタル大辞泉 「宋会要」の意味・読み・例文・類語

そうかいよう〔ソウクワイエウ〕【宋会要】

中国代の政治経済社会制度沿革を類別し、集大成した書。宋の宋綬らの奉勅撰。現行の「徐輯本宋会要稿」は、徐松が「永楽大典」収録分を編集したもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「宋会要」の意味・読み・例文・類語

そうかいようソウクヮイエウ【宋会要】

  1. 中国の政書。四六〇巻。宋の宋綬奉勅撰。宋の制度の沿革を類別した史料で、北宋南宋を通じて一〇回編纂された「慶暦国朝会要」「元豊増修五朝会要」「政和重修会要」「続国朝会要」「中興会要」「淳熙会要」「光宗会要」「孝宗会要」「寧宗会要」「嘉定国朝会要」の総称。これらの原本は亡失し、現行本は清の嘉慶年間(一七九六━一八二〇)、徐松らが「永楽大典」から編修したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宋会要」の意味・わかりやすい解説

宋会要
そうかいよう

中国、宋の政治、経済、社会などの諸制度を類別して年代順に記述した書。宋綬(そうじゅ)らによる奉勅撰(ほうちょくせん)。宋代は中央集権的制度の整った時代で、これらを記したものが重要となった。そこで北宋、南宋を通じてたびたび編纂(へんさん)されたが、原本はひとつも伝わっていない。現行本は、1808年に清(しん)の徐松(じょしょう)らが『全唐文』を編修したときに『永楽大典(えいらくたいてん)』から収録したもので、徐松本とよばれる。徐松本『宋会要』は変遷ののちに北平(北京(ペキン))図書館に寄託され、1936年以後たびたび出版され流布した。帝系5冊、后妃1冊、礼33冊、楽3冊、輿服(よふく)3冊、儀礼6冊、崇儒(そうじゅ)4冊、運暦1冊、瑞異(ずいい)1冊、職官49冊、選挙14冊、道釈1冊、食貨43冊、刑法8冊、兵15冊、方域9冊、蕃夷(ばんい)4冊の合計17編200冊からなっている。整理その他不十分な点も多いが、宋代研究の根本資料としてきわめて重要な書である。

[伊原 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宋会要」の意味・わかりやすい解説

宋会要
そうかいよう
Song-hui-yao; Sung-hui-yao

中国,宋代の政治,経済,社会などの諸制度の沿革を分類集成した書。皇帝の命によって宋代に十数回編纂された。原本は滅んだが,『永楽大典』に収められて残存した部分を,清代に纂集したのが現行の徐輯本『宋会要』である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「宋会要」の解説

『宋会要』(そうかいよう)

宋代に10回編纂され,政令を部門別に集成し,制度,沿革の参考資料に供した政書。いったん亡失し,現存本は清代に『永楽大典』から復原した残巻。宋代制度の根本史料

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宋会要の言及

【会要】より

…それらは板木に彫られることなく後に散逸したが,明代の《永楽大典》中にかなり多く採録されていた。 19世紀のはじめ《全唐文》を編纂した徐松(1781‐1848)はその副産物として《永楽大典》の中の宋代の会要をすべてぬき出して《宋会要輯稿》を作り,1936年これが北京図書館から200冊の影印本として出版された。この徐松輯本《宋会要》は,それ以後の宋代制度,経済史研究の飛躍的進展に大きな役割を果たしている。…

【宋会要輯稿】より

…清の徐松(1781‐1848)の編。《宋会要》とも簡称する。宋代の会要は,1044年(慶暦4)の《慶暦国朝会要》150巻から,1236年(端平3)の《嘉定国朝会要》588巻まで,南北両宋の時代に応じて編纂され,10種類の多きに達する。…

※「宋会要」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android