コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

宗安小歌集 そうあんこうたしゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宗安小歌集
そうあんこうたしゅう

江戸時代初期の小歌集。沙弥宗安撰。1巻。無名の巻子本 (かんすぼん) として伝えられ,1931年『室町時代小歌集』として紹介,複製されたのが,のち『宗安小歌集』と呼ばれるようになった。宗安については,万代屋渡辺宗安,堺の銭屋松江宗安,『鹿苑日録』にみえる宗安など諸説がある。成立年代についても『閑吟集』 (1518) と『隆達小歌集』 (93~1605) の中間に位置するという見方や,もう少し年代が下り,『隆達小歌集』前後とみる説がある。所収の小歌は 221首 (2首重複) 。『閑吟集』などとの共在歌も含まれるが,独自の小歌が多く,室町時代末期から江戸時代初期にかけての小歌の貴重な資料。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

そうあんこうたしゅう【宗安小歌集】

歌謡集。《閑吟集》につぐ中世小歌の集成。序・跋によれば,〈沙弥宗安〉が編み,〈久我(こが)有庵三休〉に請うて浄書せしめた逸名の巻子1巻本。他に伝本はなく,孤本である。1931年に笹野堅が《室町時代小歌集》と名づけて刊行紹介したが,編者の宗安が茶人万代屋(もずや)宗安であること,手書者三休が久我大納言敦通であることが考証され,本書の成立が1599年(慶長4)以後数年の間であると推定されるに及んで,書名の呼称も改められた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宗安小歌集
そうあんこうたしゅう

近世初期成立の小歌集。一巻。『閑吟集』(37首の共通歌を有す)以後、隆達節(りゅうたつぶし)小歌よりはやや先行する中世小歌の集成。編者の宗安にあてるべき人物として諸説あるが、不詳。序・奥書によると、清書したのは久我有庵(こがゆうあん)すなわち久我敦通(あつみち)(1565―1624)。中世小歌と近世小歌との交替期にあたる慶長(けいちょう)年中(1596~1615)の成立か。所収歌数220首。ほとんどが二句・四句の短詩型で、「夢には来てお寝(よ)れ/それに浮名はよも立たじ」のごとき恋の歌が大部分を占め、「濡(ぬ)れぬさきこそ露をもいとへ/濡れてののちはともかくも」のごとき七七七五の近世小歌調もみえ、孤本(こほん)ながら歌謡史研究上貴重な資料。1931年(昭和6)笹野堅(ささのけん)の紹介になったもので、原本に題名はなく、当初は『室町時代小歌集』とよばれた。[徳江元正]
『北川忠彦校注『新潮日本古典集成 閑吟集 宗安小歌集』(1982・新潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の宗安小歌集の言及

【日本音楽】より

…中世後期の民謡は,〈小歌〉と呼ばれるものの中に見られる。《閑吟集》《宗安小歌集》《隆達小歌集》の中には,民謡的な小歌が相当含まれている。しかし,純粋な民謡を集めたものとしては,中国山地の田植歌を集めた《田植草紙》が代表的なものであろう。…

※「宗安小歌集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

宗安小歌集の関連キーワード久我敦通尽期の君