日本歴史地名大系 「宮原遺跡」の解説
宮原遺跡
みやばらいせき
周防灘に注ぐ
遺跡は海岸から一・五キロほどの洪積台地に立地し、近世の干拓地や古代の条里地域を考慮すると、当時は沿岸州付近まで湾入していたことが考えられる。往時、台麓の末武扇状地は水田地域であり、段丘面は平坦なので畑作の適地であったと考えられ、弥生時代の村落と墳墓の地として利用したことを示している。
弥生時代前期の遺構は、段丘の北部の地区に集中し、溝状遺構に囲まれた土壙群と溝外に竪穴住居の跡がある。溝状遺構は断面がV字形を呈し、卵円形プランの一部が円弧状に墓壙群を約一〇八メートル取り巻き、崩落した段丘の端でとぎれている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報