宮城十二門(読み)きゅうじょうじゅうにもん

改訂新版 世界大百科事典 「宮城十二門」の意味・わかりやすい解説

宮城十二門 (きゅうじょうじゅうにもん)

日本古代の宮城の最外郭を囲む宮城垣に開く門。大宝令では外門という。4面各3門ずつの計12門あるので,宮城十二門と通称する。ただし平安宮での宮城門は東・西面に上東門上西門も加えられる。藤原宮,平城宮,長岡宮と平安宮の創建当初には,古くから門の守衛職務とした氏族の名を門号としていたが,818年(弘仁9)氏族名の門号の音を基にして中国的な名称に改めた。各門の配置は平安宮は表のとおりで,長岡宮は東面3門が北から県犬養(あがたいぬかい)門,山門建部門となる点だけが異なる。藤原宮は山部・建部・海犬養・丹比・少子部(ちいさこべ)門,平城宮は建部・的・壬生朱雀(すざく)・若犬養・丹比・少子部門の存在が確認できるだけで,長岡・平安宮と異なる門号もあるが,ほぼ同じと推定できる。構造は藤原宮以降基壇をもつ礎石建ち,瓦葺きの建物で,《伴大納言絵詞》に描かれた平安宮朱雀門は丹塗り,白壁である。平安宮の南面3門は屋根を二重にした重層門である。また平安宮では当代の能書家である空海,橘逸勢,嵯峨天皇らの筆の門額を掲げたと伝える。平面規模の明らかな平城宮朱雀門と藤原宮の門は,間口5間,奥行2間(25m×10m)。平安宮の門も間口5間,奥行2間であるが,朱雀門だけが間口7間である。衛門府門部門前仗舎と呼ぶ詰所にいて守衛し,門からの物資の搬出入を監視した。
応天門 →朱雀門
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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