応天門(読み)オウテンモン

デジタル大辞泉 「応天門」の意味・読み・例文・類語

おうてん‐もん【応天門】

《「おうでんもん」とも》平安京大内裏朝堂院南面正門外郭朱雀門すざくもんの北にある。東西両廊に栖鳳せいほう翔鸞しょうらんの2楼が連なる。

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精選版 日本国語大辞典 「応天門」の意味・読み・例文・類語

おうてん‐もん【応天門】

  1. ( 「おうでんもん」とも ) 平安京大内裏八省院南面の正門。朱雀門に相対する。東西の両廊には栖鳳(せいほう)、翔鸞(しょうらん)の二楼が連なる。延暦一二年(七九三創建されたが、応天門の変で焼失し、貞観一三年(八七一再建
    1. [初出の実例]「夜、応天門火」(出典:日本三代実録‐貞観八年(866)閏三月一〇日)

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改訂新版 世界大百科事典 「応天門」の意味・わかりやすい解説

応天門 (おうてんもん)

平安宮朝堂院の南にある朝集殿院の南門をいう。もともと大伴氏が守ったもので大伴門とも称された。平安宮の場合には,応天門の南には宮城十二門(宮城外郭にある)の一つである朱雀(すざく)門が別に存在した。ところが藤原宮の発掘成果では,朝集殿南方には宮城門(南面中央門)が一つしかないことが判明した。したがって,藤原宮南面中央門は応天門とは別個の朱雀門はなく,応天門(大伴門)と呼ばれた門が一つだけあった可能性がある。また,平城宮の場合については,平安宮の応天門推定位置には門跡が確認できていないため,あるいは藤原宮と同じく応天門が南面中央門の門号であった可能性が残っている。ただし,その場合《続日本紀》では朱雀門とみえるので朱雀門は応天門の別称か,あるいは《続日本紀》の追筆かもしれない。平安宮の応天門は5間3戸の重層の門で,その絵は《伴大納言絵詞》に描かれている。
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百科事典マイペディア 「応天門」の意味・わかりやすい解説

応天門【おうてんもん】

平安宮の正庁である朝堂院(ちょうどういん)に南面する門。平安宮正門である朱雀門(すざくもん)の奥に当たり,5間3戸の2層楼で東西に栖鳳(せいほう)・翔鸞(しょうらん)の両楼があった。今日の平安神宮の門はその縮尺模造。応天門の称は古来大伴(おおとも)氏が守衛したためで,大伴門ともいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「応天門」の意味・わかりやすい解説

応天門
おうてんもん

平安京の宮城内八省院南面の正門。京の中央を南北に貫通する朱雀大路北行して,宮城南面の朱雀門を入り,さらに北行 150mのところにある。桓武天皇のとき,唐制にならって創建。門額は空海の筆と伝えられる。貞観8 (866) 年応天門の変で焼失,その後,再建されたという。

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