宿す(読み)ヤドス

デジタル大辞泉 「宿す」の意味・読み・例文・類語

やど・す【宿す】

[動サ五(四)]
内に含み持つ。「大志を―・す」
とどまらせる。「水面月影を―・す」「往時面影を―・す道筋
子をはらむ。「子を―・す」
宿泊させる。宿を貸す。
「人―・し奉らむとするところに」〈玉鬘
預ける。
「相知りたりける女蔵人の曹司に、壺やなぐひ、おいかけを―・し置きて」〈後撰・雑四・詞書
[可能]やどせる
[類語](3孕む身籠る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「宿す」の意味・読み・例文・類語

やど・す【宿】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. やどらせる。宿を貸す。客として泊める。宿泊させる。
    1. [初出の実例]「あはれ、旅人にこそあなれ。しばしやどさむかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. はいり込ませたり付着させたりしてとどめる。とどまらせる。また、はいりこませてふくむ。ふくませる。
    1. [初出の実例]「ちることのうきもわすれてあはれてふ事をさくらにやどしつる哉〈源仲宣〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春下・一三三)
  4. 光や影を一時とどめる。うつす。
    1. [初出の実例]「おく露の光をだにぞやどさましををぐら山にて何もとめけん」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  5. 他のもののところにあずける。
    1. [初出の実例]「あひしりたりける女蔵人のざうしに、つぼやなぐひ・おいかけをやどしおきて、侍りけるを」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑四・一二五三・詞書)
  6. 胎児を)はらむ。
    1. [初出の実例]「汝が胎内に一人の男子を宿せり」(出典:延慶本平家(1309‐10)四)

しゅく‐・す【宿】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙しゅくする(宿)

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