寂光(読み)ジャッコウ

精選版 日本国語大辞典 「寂光」の意味・読み・例文・類語

じゃっ‐こうジャククヮウ【寂光】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 仏の真理である寂静(じゃくじょう)と智慧の光。または、その寂静のはたらきを光にたとえたもの。
    1. [初出の実例]「彼法性の雲の上に寂光の月老たりと云とも」(出典:海道記(1223頃)鎌倉遊覧)
  3. じゃっこうじょうど(寂光浄土)」の略。
    1. [初出の実例]「開悟一心法性本、自受法楽寂光」(出典顕戒論(820)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寂光」の意味・わかりやすい解説

寂光
じゃくこう
(1580―1645)

中国、律宗千華(せんげ)派の祖。三昧(さんまい)寂光ともいう。広陵(こうりょう)の人、俗姓銭氏、字(あざな)は三昧。21歳で出家し、初め華厳(けごん)学を習い、ついで如馨(にょけい)(1541―1615。律宗中興の祖、古林派の祖)に受戒し律学を究めた。その後、廬山(ろざん)、五台山、金陵(きんりょう)などで戒(かい)を説くこと100余か所、寺院の建立十数か所と広く律宗の興隆に尽くした。なかでも宝華(ほうか)山(江蘇(こうそ)省)に開いた千華大社は千華派の名の由来であり、のちに中国律学の中心地となった。弘光元年6月4日、66歳で寂した。諡号(しごう)は浄智(じょうち)律師。著に『梵網直解(ぼんもうじきげ)』4巻がある。

柴田 泰 2017年2月16日]

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