富良野村
ふらのむら
明治三〇年(一八九七)から同三六年まで存続した空知郡の村。村域は現在の上富良野町・中富良野町・富良野市・南富良野町にあたる。安政五年(一八五八)松浦武四郎が十勝越のために富良野を通過した。「戊午日誌」(登加智留宇知之誌)に「フウラヌイ」がみえる(→富良野川)。「十勝日誌」には眼下に広がる富良野盆地を眺望して「一封内をなし、地味山に囲る故に暖にして内地に比すれば相応の一ケ国と思ハる」と記される。幕末から明治の開拓期に至るまでアイヌの集落は確認されておらず、上川・十勝・空知地方のアイヌの狩猟場として利用されたと推定される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 