射殿,弓場殿(ゆばどの)ともいう。平安宮内裏にあり,恒例の賭射(のりゆみ)の際に天皇が臨む所。校書殿(きようしよでん)の東廂の北に設けられた。賭射は正月18日に賞をかけて近衛・兵衛に射芸を争わせる年中行事で,824年(天長1)に初めて見える。834年(承和1)に紫宸殿の西南廊をとりこわして,校書殿と安福殿の東側に射場を設け,賭射を行うようになる。射場殿は863年(貞観5)に初めてみえるが,射場設定とともに設けられたものであろう。永安殿の内側で安福殿の東南方に堋(あずち)を設けて的をかけ,射場殿の東側に射手の座を設けた。正月17日恒例の射礼(じやらい)の射場は,平安宮創建当初は朝堂院,馬埒殿(ばらちどの),神泉苑などに設けられ,815年(弘仁6)からは豊楽院に,865年からは建礼門前に設けられた。941年(天慶4)ごろに宣陽門の内側で温明殿(うんめいでん)の東側に東弓場が設けられ,これに対して校書殿の東の射場は西弓場と称されるようになる。このほか兵部省南門の弓場や左右近衛府の弓場がある。
執筆者:今泉 隆雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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