射場殿(読み)イバドノ

デジタル大辞泉 「射場殿」の意味・読み・例文・類語

いば‐どの【射場殿】

弓場殿ゆばどの」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「射場殿」の意味・読み・例文・類語

いば‐どの【射場殿】

  1. 〘 名詞 〙 中古宮中に設けられた天皇射芸を観覧するための御殿弓場殿(ゆばどの)
    1. [初出の実例]「件射場殿兼日被仰修理職、所新造也」(出典:春記‐長暦三年(1039)一二月二七日)

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改訂新版 世界大百科事典 「射場殿」の意味・わかりやすい解説

射場殿 (いばどの)

射殿,弓場殿(ゆばどの)ともいう。平安宮内裏にあり,恒例の賭射(のりゆみ)の際に天皇が臨む所。校書殿(きようしよでん)の東廂の北に設けられた。賭射は正月18日に賞をかけて近衛兵衛に射芸を争わせる年中行事で,824年(天長1)に初めて見える。834年(承和1)に紫宸殿の西南廊をとりこわして,校書殿と安福殿の東側に射場を設け,賭射を行うようになる。射場殿は863年(貞観5)に初めてみえるが,射場設定とともに設けられたものであろう。永安殿の内側で安福殿の東南方に堋(あずち)を設けて的をかけ,射場殿の東側に射手の座を設けた。正月17日恒例の射礼(じやらい)の射場は,平安宮創建当初は朝堂院,馬埒殿(ばらちどの),神泉苑などに設けられ,815年(弘仁6)からは豊楽院に,865年からは建礼門前に設けられた。941年(天慶4)ごろに宣陽門の内側で温明殿(うんめいでん)の東側に東弓場が設けられ,これに対して校書殿の東の射場は西弓場と称されるようになる。このほか兵部省南門の弓場や左右近衛府の弓場がある。
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