デジタル大辞泉 「修理職」の意味・読み・例文・類語
すり‐しき【▽修理▽職】
「―、
818年(弘仁9)7月に新置された令外官(りようげのかん)。宮内,京内の諸施設を造営・修理することをつかさどり,長官(大夫)以下四等官8人,史生8人が配されている。また《延喜式》によれば木工,瓦工,檜皮(ひわだ)工,石灰工もおり,別に木工関係として長上10人,将領22人,工部60人,飛驒工63人が配され,仕丁も227人を数える大組織である。奈良時代にすでに前身官司として修理司が設置されたことが知られ,称徳天皇発願の西大寺,西隆寺の造営を契機に新設されたもののようである。818年に置かれた修理職は,宮内外の修理事業の遂行という臨時的な官司であったようで,826年(天長3)7月には廃止され,木工寮に統合された。890年(寛平2)に修理職は再置されるが,このとき設置の修理職は《延喜式》での構成を記したように,木工寮とほぼ同規模で,単なる修理機関ではなく新たな造営事業も担当する常置の官司となり,明治維新まで存続した。
執筆者:狩野 久
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